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いのちの循環

たまがおばあちゃんとクロスするのはいつだろう、と、山形の家族と、会うたびに話題になっていた。
たぶん、それが今回だったのだと思う。
それほど祖母の衰弱は顕著だった。

今回、たまとおばあちゃんは、言葉の神様のもとで交錯し、新しいステージを歩み始めた。

もう一つ、たまとおばあちゃんが同じだったこと。
ごはんの食べかただ。

おばあちゃんは、食卓をみんなで囲みこそすれど、今まで通り、いろんなものをバランスよく食べることができなくなっていた。
というか、ほとんど食べないのに驚いた。
誰かが皿におかずを置いて、気が向けば箸をたぐり寄せ、少し、口をつける程度。
母がのりでごはんを巻いて持たせると、ちょっと食べる。

まさにたまも同じ。
食欲がない時でも、海苔でごはんを巻けば、つかんで食べる。

そんなところまで同じだなんて。



そんな日々の食事をつくりながら、母は、どんな思いでいるのだろう。
一方で、毎日成長し、元気に食べ(時には熱を出して食べないこともある)、大きくなっているたま。
母がたまのために描いているたまごはんが母の支えになっていることは、想像に難くない。
母と私の共同作業でもある、たまごはん。
伝えたい食、大切にしたい食。
1月以降、ともかく忙しくて忙しくて、母が描いて送ってくれているたまごはんを、更新できずにいた。
ごめんね。


3月。
牛乳のことがきっかけで我が家の食についてあれこれ悩み、一つの解決をみた。
その礎はわたしの育った食事である、ということだ。
それは、「たまごはん」。
迷いは、もうない(はず)。

たまごはん」のファンも多い。
生活の建て直し、仕事の建て直しとともに、たまごはんも再開していくつもり。
たまっている絵も、写真も、文章も、お楽しみに。


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★たまばあちゃん、たま母ちゃん、たまの3代にわたる離乳食日記「たまごはん」★

ノロ疑惑

この週末は、山形のおばあちゃんの米寿を祝うために帰省していた。
金曜日、山形に着き、おばあちゃんの家で夕ごはんを食べ終えたころ、なんだか胸がむかついてきた。
実は、水曜日の夜くらいから、妙に疲れを覚え、夜は使いものにならない日が続いていた。
そして翌朝には、猛烈な吐き気と下痢、悪寒、頭痛で、のたうち回ることになる。
「ノロウィルスではないか」と、家族がいう。
夫と妹にたまを託し、わたしはひたすら布団とトイレを往復する。

1月から続く、壮絶な日々。通常業務に加えNPO活動が割り込んできたため、明らかにキャパシティオーバーになっていたのだ。
仕事上での細かいミスや取りこぼしも出始め、仕事部屋も資料の山で埋もれるようになり、そろそろ本気で建て直しをはからなければならない。そう思っていた矢先のこと。
山形にも仕事の資料を持ち込み、寝ていながらも頭の中に次々と浮かぶTODOリスト。
容赦なく舞い込む仕事のメール(こんな時、iPhoneをいじってはいけない)。
うつらうつら夢を見れば、仕事で会うあの人この人の顔が登場し、はっと目が覚める。

しかし、そんな状態も、これほどまで体調が悪ければ、どうしようもない。
「治らなければ、できないよ」
そう腹をくくり、ひたすら寝ることに注力する。
金曜日の夜から、日曜日の朝まで、約36時間。おばあちゃんに会いに行った2時間、どうしてもやらなければならなかった仕事の2時間をのぞいては、ひたすら体を横たえていた。

日曜日には、何事もなかったかのように体は回復し、無事に家族、親戚一同と卓を囲み、祖母の米寿を祝うことができた。
大好きな山形で、街を歩くこともできずただ寝ていたのは残念だったが、本懐は果たすことができたし、なによりもこのノロ疑惑はわたしにとって必要なことだったのだろう。

あまりにも、ため込みすぎて。
あまりにも、無理しすぎていて。
あまりにも、請け負いすぎて。

いつも、しかるべき時に、体が教えてくれる。
そして、休ませてくれるんだ。

最近、その役割をもっぱら請け負っていてくれていたのが、たまさんだ。
彼女が熱を出すことで、仕事をストップして一緒に遊ぶ。それによって、どれだけ調整がはかれていたことか。
でも、今回は、わたしの体が反応した。
強制終了のボタンが押された、ということだ。

文字通り、体の中からいろんな「毒」が排出された。
だから、日曜日には非常にすっきり、クリアになった。
食事に対する葛藤に対する答えも、見えてきたような気がして。

我慢して→ストレスがたまって→食べて→自己嫌悪

このスパイラルも、脱することができそうな、予感。


ノロさんよ、ありがとうよ。


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小鬼1粒豆食べる。

今日は節分。
たまが生まれてからは特に、季節の行事を大切にしたいと思っていて、今日も豆まきして、恵方巻きを食べて、鬼のお面をかぶろうと、企画していた。

しかし、年明け以降、とても忙しい。
もちろん自分で海苔巻きをつくる余裕などない。
こういう時は、市販品でもいいかな、と割り切ることにした。

幸い、近くにオーガニックのスーパーマーケットがあるので、そこのものなら何でも、という気で買い物に行ったら、すでに売り切れー。むむ、残念。
隣の寿司屋で、残り2本を何とかゲット。
表示に「アミノ酸」とあったが、ここは妥協。何よりも家族が楽しむのがいちばん。

ところが、家にたどり着くまでの最後の坂道を上っている時に、ERGOの中の小鬼がいきなり重くなった。…寝やがった。
真っ赤なカバーオールを着たまま、大の字で眠りこける小鬼。起きる気配なし。

100203小鬼大の字


仕方ない。
父ちゃん母ちゃんで、たま見酒をしながら、恵方巻きにかぶりつくかー。
今年の恵方は「西南西やや右」。夫のズボンプレッサーを見つめながら無言で太巻きをくわえる。
恵方巻きは一本食べきるまで休んではならず、しゃべってもいけない。「願いが切れてしまう」からだとか。
ただひたすら、願い事を心の中で念じながら、一つのものを食べきるというのは難しい。
夫もわたしもすぐに「無理」と笑って、置く。
そもそもあれほどの重量感がある食べ物を、休まず食べきるほどの大きな願い、というほど、こちらも本気でもない。
ささやかに「家族の健康」を願ったが、恵方巻きを食べきらなかったからそれが損なわれるというものでもないし(笑)。

100203恵方巻


グラスに一杯だけのビールを飲みながら、恵方巻きの由来についてうんちくを披露する。
江戸時代に大阪の船商人から発祥し、戦後その風習が廃れたが70年代にやはり関西地方から販促目的に復興したとか。
七福神にちなんで7種の具が巻かれている。わたしが確認したのは、アナゴ、卵、カニ、エビ、鮭、まぐろ、きゅうり、椎茸煮付け。

そうこうしているうちに、小鬼が起きた。
今日は季節感を重視して、アサリの潮汁と、菜の花のおひたしをつけあわせたんだよ。おいしくいただこうねとベビーラックにのせたが、機嫌が悪い。寝起きだからね。
でも、恵方巻きはパクパク食べた。初めてのエビとカニも。アサリも。菜の花は見向きもしなかった。

最後に、父ちゃん37粒、母ちゃん3?粒、たまちゃん1粒の炒り大豆を食べた(たまは真似だけ)。
1粒って!! かわいいね。

100203ごはん

端的に言えば、恵方巻きも間断なく続く食の販促イベントにほかならない。
バレンタインデーといってチョコを売り、ほわいとでーと言って菓子を売り、ひな祭りお花見端午の節句母の日父の日と、義務感でやっていたら続かない。
それに踊らされている一消費者だが、まあ、家族が一緒に食卓を囲む楽しさの一助となれば、よしとしよよう。


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「協力的」じゃなくて「同等」

年末からのたまの体調不良に翻弄された新米父母。
その中で思うこと。
わたしたち、タフになったなあ~。

わたしに関して言えば、以前より確実に睡眠時間が少なくなっているのにも関わらず、体調を大きく崩すことがない。
夫にも、「母ちゃんはいちばん寝ていないのにいちばん元気だ」と驚かれる。

夫は喉が弱い。よく喉から風邪をひく。
体調不良に関する自覚は早いので、
「乾燥しているから喉がイガイガする。加湿器をつける」
「さみ~な~。首マフラー(自宅用ネックウォーマー)はどこだ?」
など、体調が大きく崩れる前に自分で対処しているくらい、体調の変化には敏感だ。
そんな彼も、しょっちゅうたまに鼻水をこすりつけられ、風邪菌たっぷりのクチでなめ回されるが、この冬大きな風邪は引いていない。

今回のたまの体調不良は、多分、喉が原発。きっと父ちゃん似なのかもしれないなあ。
義母がよく、「ケンは小さいころしょっちゅう40度の熱を出していた」と言っていたが、もしかしたらたまもそのクチ……(キャーやめて、と母ちゃん心の叫び)?
それだけに、義母のアドバイスはとても的確だ。
わたしの実母はあまりたよりにならない(笑)。わたしも妹も、2歳くらいまではほとんど熱を出すことがなかったのだそう。そりゃ、赤ちゃんの発熱に免疫はないわな。

そして今回、改めて父ちゃんを見直した!
子どもの病気のケアに関しても、ものすごく冷静に愛情深く観察し、判断してる。
母親に一任するということがない。
わたしたちは常に、たまが保育園から返された時、朝発熱して保育園に行けない時などのシミュレーションをしているが、彼は、「子どもの病気の時は母親だけが仕事を犠牲にする」という感覚はもっていない。
負担は父も母も同等なのだ。

それって当たり前でしょう? 
そう思われるかもしれないが、実際、それができている男性はどれくらいいるだろうか?
パートナーが「協力的」なのではなく、「同等」。
わたしは相当恵まれていることは間違いない。



 * * *

年明けから書きためていたブログ、ちょこちょこ公開しております。
2010年の目標(1)家をきちんとする
2010年の目標(2)食べ方をきちんとする
2010年の目標(3)姿勢をきちんとする
2010年の目標(4)身なりをきちんとする


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仕切り直します。

わたしが住んでいる青葉台近辺では、今週は、どんど焼きが行われていたようだ。
神様に一年の豊穣と健康を祈願し、前年の無事を感謝して、お正月飾りなどをお炊き上げする。。
つまり、お正月気分は終わり。

わたしはお正月から「疾風怒濤の2010年」。
たまちゃんが風邪と、トッパツ疑いで大崩れして、思うように動きがとれなかった2009年の年末。
お正月もほぼ引きこもり、元気になり、万全を期して保育園生活再スタート、と思ったら、もう、すぐに熱を出して追い返される始末で……。今週は行けば帰され、全滅だった。
さすがに父母もてんてこ舞い。お互いの時間をやりくりしながら、綱渡りで、何とか仕事と、たまちゃんの看病をする日々。。
キャンセルした予定も数知れず。
でも、そんな我が家に薬膳鍋を届けてくれる友人や、心の底から心配してくれる両親がいたりと、周りに支えられ、何とか、わたし自身は元気でやっている。

ともかく、生きること、つまり仕事をしながら子どもの看病をすることで精一杯だった年明けからの日々。
ブログを書く時間すらなく、ただ流されるままに日々を過ごしていたが、ようやく、一段落ついたかな(精神的に)。
たまちゃんはまだ、相変わらず、低空飛行。
いや、ご本人は元気で、いたずらいっぱいして、「お前本当に風邪引いているのかよ?」と疑いたくなるほど。
でもしっかり熱だけは出し、今日はゲホゲホと咳き込み、とてもじゃないが保育園にはやれない状況だ。
来週もこれが続くのか……勘弁してよー(泣)。
たま、もしや、母ちゃんと一緒にいたいがための仮病か???


というわけで、ぼちぼち、ブログ仕切り直します。
もうしばし、お待ちくだされ。
たまごはんも、写真だけは撮り貯めてありますので。


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this is it!

091125マイケル
(この時のたま、「あたち、もうちょっとで暴れるわよ。this is it!」って感じ?


今日、『THIS IS IT』を観に行ってきた。故マイケル・ジャクソンが死の直前まで行っていたリハーサルの様子を映画として公開したものだ。
仕事が立て込んでいたが、わたしが憧れ、尊敬する人の多くがそのブログで絶賛していたため、何かをつかめるんじゃないか、そんな予感がして、時間の合間を縫うようにして映画館に足を運んだ。

MJがKing of POPと呼ばれるゆえんがわかるような気がした。
彼の圧倒的な存在感は「帝王」そのもの。
死してなお、その音楽は、魂は、間違いなくファンの中に生きている。
彼はまぎれもなく天才、二次元、三次元にも四次元にも想像力が広がり、最高のエンターテイメントを創造する。
彼の歌、そしてパフォーマンスは、人間の肉体とはここまで美しい動きができるのか、と、驚きを与えてくれる。
あまたのプロフェッショナルたちが「ここが頂点」と認め、彼のそばにいるだけで喜び、涙し、感動を共有し、さらなる高みへと挑戦していく。
ダンサー、サイドボーカル、ギタリスト、ベーシスト、照明、ボイストレーナー、振り付け師、衣装、プロデューサー……。誰もが、呼吸から、抽象的な言葉から、体の動きから、空気の揺れから、MJの意図を読み取り、キューを察知し、全員が大きな目的のために、いのちを合わせる瞬間! 躍動、統制、爆発、融解、そして静寂……。
すべてが、完璧に調和し、一つの世界が、生まれていく。
その胎動が映像に残っていた。

MJが見せてくれるはずだった「夢」には、スペシャリストたちのたゆまぬ努力とあくなき挑戦の積み重ねという「現実」が前提にあった。
ともすればスキャンダルが先行しがちだったMJだが、常人の常識を天才に当てはめてはいけない。
彼だからこそなし得たこと、伝えられるメッセージがある。
音楽の力は、もしかしたら政治よりも大きいかもしれない。

Heal the World…
彼がステージで伝えていたはずのメッセージ。
そのメロディーが、耳の奥でリフレインする。
MJの完璧な世界観の根底にあるのは、L.O.V.E.
そして仲間へのリスペクトと信頼、不可能はないという絶対的な自信。
文字通りの舞台裏を知ることで、人間の持つ可能性に対して目を見開かされた。

大きな夢を語ろう。愛をもって。
This is it!
さあ、いよいよだ。今がまさに、わたしたちの時代だ!


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お祭り!

090830お祭り娘
(お祭り娘、今日は一日ニッコニコ! ハイハイできるようになりました♪)

たまが生まれてからというもの、夜遊び、お祭りをしていない。
でも、今日は史上最大級のお祭り!
もちろん選挙ですよー。
歴史が変わる瞬間に立ち会えるわけだからねー。

キタハラ家は選挙好き。
わたしは、政治はさして詳しくないけど(まあ、同世代女子の中では興味津々なほうだと思う)、夫は政治好きなので、夫にレクチャーを受けながら、あーでもないこーでもない、と言いながら、政局を論じる(という以前の、妄想する段)のが楽しくて仕方ないのだ。

もう、今回の選挙は、半年くらい前から盛り上がっていた。
いつ解散するのかから始まり、そのタイミング、敵失の足引っ張り合い、そのドラマの面白いこと面白いこと!
この一ヶ月、夫婦のピロートークは「永田町は燃えているよ!」が合言葉だった(笑)。

そして迎えたお祭り本番!
当然選挙速報を観ながら夫とあーだこーだと盛り上がるもんだと思うでしょう?
残念、彼は地域密着型タウン紙をつくるのが仕事。なので、当日の夜は当然出社なのだ。
このお祭りを一人で楽しむなんて、ちょっと淋しい~と歯がみしていたところ、夫よりミッションが。
「あんたは夫のテクニカルチームなんだよ」と。
そう、わたしは家で選挙速報をザッピングしながら、神奈川の選挙区情報を夫に一早く伝えるという使命を得たのだった。

というわけで、ワンセグ、テレビ、インターネットの3つを駆使し、3つのデジタル画面ににらめっこ。
夫にストーカーのようにメールを送り、仕事している気分で楽しかった~。
「予想以上に競っていないから(ここまで民主が大勝しているから)、仕事が早く終わったよ」と、22時半くらいに夫が戻って来た。
そして、楽しい選挙パーティーの再開!
わたしはまだビールを飲めないので、麦茶を炭酸水で割ってビール気分を味わう!(これが意外とイケル)

歴史が変わる今日、たまはカブ男の埋葬を経験し(一昨日の朝、カブ男は動かなくなっていた。金曜日の姿のまま土に埋めた)、そしてつかまり立ちとハイハイを始めました!


★たまばあちゃん、たま母ちゃん、たまの3代にわたる離乳食日記「たまごはん」もぜひご覧ください★

夫の中の少年

昨日は某社で編集会議があり、家に到着したのは22時ちょっと前。
団地内をとぼとぼ歩いていると、ふと、黒光りする生命体がカサカサと道路の上で蠢いている。
イヤな予感。我が家はこの夏、二ケタは超えようかというほどの大量のゴキブリ君に侵食されており、1カ月ほど、げっそり、うんざりする日々を送っていた(薬剤を使いたくはないが、背に腹は替えられぬと「ゴキブリほいほい」を設置。一つ屋根の中で動かなくなっている2~4匹を発見し、改めて背筋がゾ~ッ)。
ヤツか……と一瞥して通り過ぎようとするが、やけにでかい。
腹を天に向け、足をじたばたしているこいつは、立派な角を持っていた。
そう、カブトムシだったのだ。

カブ男

すかさず、夫に電話。
「カブトムシが落ちているんだけど、ひっくり返って動けないみたい。わたしは怖くてさわりたくない。このままじゃ絶対クルマに轢かれる。どうしたらいい?」
すると夫、即、階段をおりてやってきた。
「今日は連れて帰ろうよ」と、パッとつかんで階段をのぼってしまった。
家に帰って夫の顔を見ると、目がキラキラ輝いている。

それから彼は、いそいそとお弁当の空き容器のフタに穴を開け、「スイカはないか」とのたまい、わたしはスイカの代わりにたまのおしりふきコットンにりんごジュースを浸し、容器の中に置いた。
カブトムシはお腹が空いていたようで、たまと同じようにギュッギュッとあまい液体を吸っていた。本当に音が聞こえてきたのだ。
満腹になったころ、カブトムシは空き容器の中で元気に動き出した。カサカサカサ。
……やっぱり、ヤツに似ている。

ご対面

いつの間にか、カブトムシは「カブ男」と命名されていた。
夫は翌朝も早く起き、カブ男の世話を焼いていた。
「妻、カブ男がおしっこしてやがる。いっちょまえに臭いんだ」と言いながら容器を洗い、りんごジュースのコットンを取り替える。
わたしは内心、「そんなことよりたまのおむつを替えてやってくれ」と思う。
「たま~、カブ男だよ」と言って見せ、たまも神妙な面持ちでカブ男との対面を果たす。

遊びたい

「今夜、近くの公園に放してやろうね」
そう約束したのに、夫は、アクリルケースと飼育マット、止まり木、昆虫用ゼリーを買って帰ってきた。
「これも何かの縁だから」
彼はすっかり、カブ男に魅せられてしまったらしい。
食卓にカブ男のスペースを設け、カブ男を鎮座させる。
夕食の話題は、いつもは90%がたまの話なのに、今日に限ってはカブ男の方がウェイトが高いくらいだ。
「男の人って……」
わたしは、夫に少年の瞳を見てしまった。
男の人は、いつだって、昆虫が好きだ。
夏になれば胸がうずき、ワクワクするのだろう。

せっかく近くに寺家ふるさと村というフィールドがあるのだから、たまがもう少し大きくなったら、もっとたくさん歩こう。
虫や草、花とお友達になろう。
夫は少年に戻り、わたしは少女に戻り、自然と遊ぶ楽しさを味わおう。

家族の楽しみが、また一つ増えた。カブ男がそれを、教えてくれた。

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お盆・猛暑の過ごし方

今年の夏、いわゆる「お盆休み」の一週間はオリンピックを友に、極めてダラダラとしておりました。
我が家はお盆休みがないので(夫が仕事なので)、それに合わせてわたしも働いておりますが、猛暑日というのは屋外取材はもとより、室内での執筆も本当につらい。
去年猛暑のなかがんばって働きすぎ、体調を崩したため、今年は極力頭脳労働をしないよう努めました。
この時期は本質的に働くべきじゃない、みんながみんな、朝夕涼しい田舎に帰るようにと、「お盆」というシステムができ上がっているんじゃないか、と思うくらいです。

都会で生活しながら暑さとどのように付き合っていくか、試行錯誤した一週間でもありました。
以下、ご紹介します。


・散歩をするなら10時前、木陰が一番!
夏は暑い

散歩をする時は、朝9時前はさすがに気温が上がらないので、8時台に家を出て、11時前には戻るようにするという計画を立てて、散歩しました。
我が家から東方向は、とても美しいケヤキ並木のある「もえぎ野」というエリアで、そこを歩くのは本当に気持ちいい。
月曜日はちょっと足を伸ばして寺家ふるさと村まで歩きましたが、寺家のような田園地帯でも木陰がなければ暑い。
また、歩道がきちんと整っているところでないと、車の排気ガスをモロに受けるので、暑さが増幅します。アスファルトのない道は確かに暑くないのですが、散歩に適した規模の公園は近くにはないので、歩道の道幅が広い、並木道を歩くのがいちばん! という結論に達しました。

・日中はインドア派に徹する!
我が家は築40年近い団地の最上階(日当たり最高!)で、蓄熱性能が高すぎる。風通しはよいけれども、室温が35度近くになると太刀打ちできません。だから、エアコンをつけていても暑い。
一つ所にとどまっていると気分も滅入るので、気温のピーク時間帯はカフェで本や資料を読むなどの仕事の仕方でもいいかもしれません。
ただ、33度を超えると移動するだけでも体力を消耗するので、家を出るタイミングは要注意ですな……。

・夏祭りで盆踊りをするのは、意外といい運動?
盆踊り

週末は夫に連れられ、リユース食器の貸し出しを行っている南町田の盆踊り大会に顔を出してきました。
夫に勧められ、盆踊りの輪に入り、たくさん踊りました(夫は盆踊りがうまい)。手を上げたり下ろしたりするのは、散歩だけではなかなかできません。5曲くらい踊るとうっすらといい汗をかきます。
夕方だからほどよく涼しいし、たいていは公園でやるのでアスファルトの熱気もなく、疲れたらリユース食器洗浄ブースの椅子で休めるので、とてもいい思いをさせてもらいました。

アメダスデータを活用し、気温の傾向を探る!
我が家は「横浜市」ではあるものの、港町・横浜からはほど遠い、丘の街です。気温が海風に影響されることは少なく、むしろ県央の気候に近いだろうということで、「海老名市」のスポット天気をチェックしていました。
たいていの日はだいたい13時~15時くらいが気温のピークに達するため、その時間をいかにやりすごすかを考えればいいのですが、例えば16日(土)は起きた瞬間から暑く、朝の10時には30度を超え12時には35.5度をマークするなど、こりゃあちょっと普通とは違う傾向だと感じ、自宅から避難して映画を観ることにしました。


さて、お盆の終わりとともに、朝晩の風が涼しく感じられるようになりました。
お盆は本当に暑さのピークですね。
やはりなるべく働かず、のんびり過ごしたいものです。

「かみさま」が来た。

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わが家に先日、「かみさま」をお迎えした。
あまくなめらかな手ざわりの、木彫りの「かみさま」。
崇め奉るような「神」ではない。でも、親しみを込めて「かみさま」と呼びたい。

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初めて内海満昌さんの個展に行ったのは、2004年の春。ちょうど青葉台に引っ越した時のことだ。
同じく西荻の骨董品店店主の家を取材した時に、玄関に置かれていた木彫りの人型、その孤独な存在感がずっと心に残っていたのだ。
取材の半年後、骨董品店店主から便りがあり、人型の作者の個展がひらかれると言う。
そうして、西荻のギャラリー「ブリキ星」へ足を運んだ。


わたしは、たいして絵のことがわかる人間ではない。
でも、ブリキ星に毎年必ずあるその世界には、何か特別なものを感じるみたいだ。描かれた世界を通して作家と自分との距離をはかり、自分を投影させ、省み、時には無になり、説明できない自分の感情やルーツを探りたくなる。
初めて彼の世界にふれた時は、文字通りその世界に「入って」しまった。見えそうで見えない、つかめそうでつかめない、求めても求めてもきりがない、その先へ。光。闇。霧。靄。
ギャラリーにある2畳ばかりの小上がりで小さくたたずむギャラリーオーナーに、ぽつぽつと自分のことを話し、おそらく一生まみえることのない「彼」について想像をめぐらせ、美味しいお茶をいただいて、帰る。
毎年、それを繰り返す。

内海さんの作品を訪れて4回目。今までとちょっと変わった彼の作風に、今年は中に「入れず」、また「彼」へのぽつぽつと妄想をふくらませながら、自分のことを話した。毎日の生活をどうしていくのか。これからどういうふうに仕事をしていきたいのか。何が今、見えそうで見えないのか。
ミクロの生活、発見を大切にしながら、マクロの流れも学ばなければならない。虎穴に放り込まれ必死であがこうとしているわたしに、ちょっとした支え、相棒が必要だった。

骨董店店主の家で出会ったあの「木彫りの人型」、うちにお迎えしたいなあ。。。

毎年、絵とともに飾られている人型は、今年は展示されていなかった。でも、そんな話をしていたら、ギャラリーオーナーは「連れていっていいよ」と、奥から2体の人型を出してくれた。手をふれ、感情に「ぴぴっ」と感じたそのうちの1体を求め、わが家にお迎えした。

鎮座するところは、ダイニングテーブルの上だ。
毎日、目にする場所。
日の当たる場所。
後ろの白壁に影が映る場所。
手のひらにのるような小さな小さな花瓶に花を添え、毎日水をとりかえ、「かみさま」に備える。その繰り返しが、一日を謙虚にスタートさせるためのリズムを作り出すと信じて。

「かみさま」は男かもしれない、女かもしれない。
わたしかもしれない、夫かもしれない、「彼」かもしれない、「神」かもしれない。
なんでもいい。
わたしは、一人じゃない。
プロフィール

キタハラマドカ(おでこが広いからtecoちゃんがニックネームでした)

Author:キタハラマドカ(おでこが広いからtecoちゃんがニックネームでした)
団地暮らしと酵母生活の達人目指す、フリーのライター・編集者。仕事は、生きることそのもの。水環境ジャーナリストを師匠に、鬼校閲者を友に、チーム仕事も繁盛中でございます。
ウエダ家とともにCOBOの普及活動に勤しむ、日本初のCOBOライターでもあります。
得意分野は、食環境、住環境、地球環境。地球温暖化や食の安全・安心、エコハウス関連の仕事が多い今日このごろ。仕事の内容についてはカテゴリ【work】をご参照ください。
夫と愉快な仲間たちがやっているNPO法人【Waveよこはま】のブログにてエココラムを執筆中。
このブログはのんびり気ままに更新中。

要CHECK!!
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わたしのお母さんが嫁入りの際に贈って手描きのレシピを紹介しています。
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横浜からリユースの波を! を合言葉に、リユース食器の普及活動をしているNPOに参加しています。Waveよこはまブログで、エココラムを執筆しています。
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野生の菌とともにある暮らしを見つめ、「発酵」を身近にすることでいのちの循環を感じる「酵母生活」を提案するウエダ家。本の執筆や編集をともに行うなかで、日本の食卓をクリエイティブにする楽しさ、可能性に夢中で活動しています。
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良質のドキュメンタリー映画が2年に一度、山形に集まる!! 世界を見開かせてくれる扉です。
山形の過去・現在・未来
わたしのお父さんが何よりも愛する山形。歴史的建造物や残したい風景の過去・現在・未来を紹介しています。
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お知らせ
新ブログ「たまごはん」スタート! たまばあちゃんのイラスト入りレシピをたま母ちゃんが料理し、たまが食べる。母娘孫と3代に渡る食を紹介します。

☆キタハラ、2009年1月に出産いたしました☆ニンプ日記は未完のまま産後生活に突入。ぼちぼち、育児日記出産ドキュメント布おむつ生活産後の体のこと姿勢のことなどを書きつづっています。
相変わらず時系列はぐちゃぐちゃ。しかし、テーマごとに思考を詰め、まとめる作業は苦しくも、おもしろくあります。気長に見守っていてください。
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