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5W●ミッションが始まった。

きうぴい

さて、レディースクリニック服部に行ったその足で、助産院バースハーモニーへ。
初回は院長である斎藤純子さん(以降、純子先生)が、90分かけてからだをじっくり診てくれ、その人に合った食事や生活のアドバイスをしてくれるという。
まだ赤ちゃんは1cmにも満たない、小さな小さな存在。でも確かにいる。自分がニンプとしてバースハーモニーを訪れることを、ちょっとうれしく、そして誇らしく思う(これまでは取材者としての訪問だった)。

さて、純子先生はわたしの足、腰、腹、肩、耳、頭などにやさしくふれていく。
その同じ手で、足裏をマッサージ。痛っ! なんだ、この痛みは?! この人は怪力なのか??? ……(阿鼻叫喚)!!!
いや、そうではない。わたしのからだが、どこか悪いのだ。リフレクソロジーというよりも、わたしのからだが探られている感覚。間違いなく、何かおそろしい判断が下される予感がした。

純子先生の診察によると、わたしのからだの状態は
「目と頭の使いすぎ。胃腸がガチガチ。今のペースで目と頭を酷使すると、お産が長引く可能性がある」
とのこと。
ええーーーーー????
いきなりこんなに厳しいことを言われて、正直、へこんだ(笑)。

「できれば、今の“書く”仕事は3分の1にして、3分の2は、“感じる”ということに集中してほしい。本やネットなど、外からの情報ではなく、自分の内にある情報(赤ちゃんや、自分のからだの声)に耳を傾けて。きっと表現するものが変わってくるはず」
そして、自分にとって“気持ちいい”ことだけをやるべきで、ちょっと“気持ちが悪い”と思ったら、やらないこと。気持ちが悪いということは、からだの正常な反応なので、それに従うこと、というアドバイスをいただいた。

純子先生の扱うお産は、マクロビオティックによる食養や、野口整体を採り入れた、とても自然なお産だ。だから、診断もちょっと特殊だ。
「からだが陰性に傾くとお産がたいへんになる。からだを冷やす砂糖類はNG、果物も控えめに。玄米など、なるべく中庸のものをとるように」
と、食事についても具体的な指示が出る。
とはいっても、なかなか忙しくて理想的なマクロビオティックの食事ができない人には、必殺サプリメント「玄米酵素(ハイゲンキ)」を活用する。

わたしに下ったミッションは、
・1日2~3時間歩くこと。 
・夜、目の温湿布を2回すること。
・胃腸が弱っているので、よく噛んで食べること。
・あまいもの、果物を控えること。
・玄米酵素(ハイゲンキ)で調整すること。
・朝起きたら、梅醤番茶を飲むこと。

さて、これ、全部実行すれば相当からだが変わってくるという。
さて、結果やいかに……???
(待て、後日談)


(2008年10月23日公開)

5W●はじめまして、ミジンコ氏。

海のきらめき


レディースクリニック服部での内診台。
まな板の上の鯉。羞恥心などすべてかなぐり捨てて、さあ、どうにでもなれ! と、勢いづくや否や、きたきたきた……。機械が入ってきた。「快」にはほど遠いこの不思議な感じ。世の妊婦はほとんどこれを経過しているのだなあ。えらいなあ。

……などと考えているうちにあっさりと内診は終わり、妊娠中のアルコールやカフェイン、つわりについてなど、いろいろと注意点を述べられる。
Dr.服部は50代後半だろうか、とても穏やかな印象の紳士だ。彼がどの妊婦さんにも必ず言うらしい殺し文句が、次の一言。
「近所で家事が起こった時に、人前で木に登るようなことはやめること」。
う~ん、わかるような、わからないような(笑)。
しかしこれは非常に的を得ていて、わたしのためにあるような言葉だった。

妊娠初期(12週まで)の流産は、胎児の染色体異常によるもので、母体が原因ではない。
しかし、もし流産してしまったら、母親のせいにされる、もしくは自分でそう感じてしまう人が多い。
人前で木に登るような無謀なことをし、その後流産してしまったら、それが直接的な原因ではないにしろ、人はそのように噂するだろう。
もし、木に登りたいのなら、夜中にこっそりと、人目に付かないところですること、と(笑)。
忙しがり屋のわたし。ニンプなのにこんなに働いているのよー、がんばっているのよー、と、ついつい、アピールしたがる自分の姿が、容易に予想できた。
自分の性質はなかなか変わらないだろう。相も変わらず、ワークホリック自慢(笑)。だったら、妊娠していることをアピールしないほうが早い(苦笑)。

診察室を出る時、Dr.に確認した。
「妊娠は……しているんですよねえ?」
Dr.、苦笑。「当然ですよ!」
受付では、さっそく母子手帳をもらってくるように、と、念を押された。

手渡された超音波の写真には、ただの丸っこい小さな塊が写っていた。
まるで一粒のイクラのようだった。
しかし、最初について出た言葉が、「……ミジンコみたい」だった。
夫も即、それを採用。

かくして、腹の中の人の胎児ネームは「ミジンコ氏」に決定した。
さすがに不憫に思い、何度か夫に変更を申し出たが、「ミジンコ」と呼び続けているうちにどうも愛着が湧いてしまったらしい。
きっと、この人は産まれてくるまで「ミジンコ氏」のままなのだろう……。


(2008年10月22日公開)

23W●リズム、リズムという夫

芙蓉


先週は、前週までの疲れが抜けきらないままに、それなりに忙しい一週間だった。
産婦人科の定期検診の前日(当日)は、朝、超早起きをして、締め切りの原稿を片づけた。当然、睡眠時間は少ない。
尿検査で初めてひっかかる。「疲れている?」と助産師の純子先生。「はい」。尿タンパクが+だった。

Dr.の検診。超音波によると、赤ちゃんは順調に大きくなっている。性別も判明した。
ほっほっほっ。相変わらず元気ニンプ生活だわー、と思っていたところで、次は内診。
ここで初めて、Dr.より「指導」が。柔道でいうところの指導カウント1くらいか(まだ「効果」にはならない程度)。
「子宮口は閉まっているし、胎児が下がっているわけではないが、若干、膣内容がやわらかくなっている。もしお腹が張ったりしたら、自分は大丈夫だとは思わずに、すぐに横になるなど注意をするほうがいい」

つまり、リスクがないわけではないことを、Dr.の診断として頂戴してしまったのだ。水戸黄門のご印籠並みのインパクト。
ああ、これまで調子に乗っていた報いだ……。ミジンコ氏が安心して暮らせる居場所を確保するためには、わたしがきちんとセルフコントロールをしなければ……。
すぐに純子先生は、「食養的に言うと、からだが陰性に傾いているということだね。食べものでがっつり締めていきましょう」と。からだをゆるめる性質のある陰性の果物、砂糖はいっさい禁止、と通達されてしまった。

ちょっとキツイなあ。でも、クスリを使わないでからだを整えていくには、食事しかない。がんばろう。

そのように気を立て直し、決意を述べたところで、次に待っていたのは夫からのなが~い一撃。

「食べものよりも何よりも、あんたの場合はまず、生活のリズムをきちんと整えることだよ。寝る時間、起きる時間を一定にすること。そうすればウンチのリズムだってきちんとなる。オレに合わせろとは言わないから、自分にとって気持ちのよいリズムをつくらなければダメだ。一定のリズムが刻まれれば、崩れた時がすぐにわかるから、調整だってしやすくなる。それがあって初めて食事云々を考えるべきなんじゃないか」

……リズムリズムと繰り返しやがる。
確かに、夫は22時半には上のまぶたと下のまぶたが仲良くなってくる。23時にはたいてい就寝。たっぷり8時間弱睡眠。そして快便。
一方のわたしは宵っぱり。かと思えば夫と一緒に寝ようとしたり。睡眠時間も一定ではない。昔からのクセだ(これはおそらく、わたしの母親の生活リズムが一定でないことが関係しているような気がする)。

夫に言われっぱなしで悔しかったが、彼の言うことは一理ある。全面的に認めざるを得ない。
出版界の無茶苦茶なリズム云々はわたし側の屁理屈でしかなく、ミジンコ氏が産まれてからそれに付き合わせるのは、酷というものだ。
それならば、今のうちにリズムをつくっておくほうが得策ではないか。


さて、明日から24週。妊娠生活も7カ月目に入る。
そしてわたしの産休まで、あと10週しかないのだ。これを全うするためにすべき課題は、たくさんある。

(2008年10月20日公開)

5W●新しい風が吹いているところに吸い寄せられる性

ご神木

無事に出張から戻り、翌日、さっそく産婦人科の門を叩いた。たまプラーザの「レディースクリニック服部」である。
実は、産婦人科よりも先に決めていたことがあった。それは、たまプラーザの助産院「バースハーモニー」の斎藤純子さんにわたしの出産を介助してほしい、ということ。
ちょうど1年前、『田園都市生活』の取材で、バースハーモニーの「食養料理教室」を取り上げていた。
恥ずかしながらその時までこの助産院の存在は知らなかった。でも何となく、助産院での出産をしたい、という思いはあったので(その理由については後述する)、わたしは青葉台にある「バース青葉」に行くことになるのだろうなあ、と漠然と考えていた。

ところが、バースハーモニーを取材し、驚いた。ここには、新しい風が吹いている! しかも、相当いい風が。
まず、料理教室の先生が、あのリマ・クッキングスクールの松本光司校長だということ。マクロビオティックの総本山であるリマのトップで、スクールでも師範クラスの人のみが受講できるという話。これだけの人が毎月通ってくださるって、どういうこと?
その後、ホームページでバースハーモニーの理念や実践を知るにつれ、「今の流れがすべて集まってきている」ということがわかってきた。野口整体もその一つだし、クラシカル・ホメオパシーもそう(どちらもスローライフ系の女性誌のトレンドの一つである)。自然な出産についての具体的なイメージを持ったのは、ナチュラル・ハーモニーの河名さんの講演を聴いて以来だったが、その話の由来になっているのがもしかしたら斎藤純子さんなのではないか、と感じた。何より斎藤さん自身が、美しく、内側から輝いている。
そして、バースハーモニーに集まってくる妊婦自体も、相当感度の高い人のように感じた。
編集者でありライターであるわたしは、その風の吹いているところに吸い寄せられる性分だ。一生に一度か二度の経験をするなら、いちばんいい風が吹いているところへ。自分自身の経験が、いちばんの取材対象なのだから。

もう一つ、斎藤さんの夫が撮った出産の写真が、あまりに素晴らしいこと。
どの産婦もキラキラと輝いていて、どの赤ちゃんも穏やかでかわいらしい顔をしていて、それが、ここのお産のすべてを表していると感じたのだ。
サイトのページを繰りながら、自然に涙があふれてくる。
もしかしたら、わたしもそのキラキラの中に入れるのかな、と。

直感。
これを大切にしよう。

青森に行く直前に、斎藤さんへは相談のメールを送っていた。行っても大丈夫なのか、と。次のような返事がきた。
「それが原因で流産になることはない。もしも流産になったらそれはその子が決めたことで、止めようがない。寝ていても流産する時はするし、ハードワークをしていても生きる子は生きる。そのへんの気持ちの落としどころをきちんと整理しておけば、あとは、身体の声を聞きながら無理をしないで仕事をすればいい。
赤ちゃんも、全部わかったうえでお腹に入ってきている」
これで、肝が据わったのだ。「赤ちゃんは、わたしを選んでくれたのだ」。だったら、子に恥じないよう、迷わないこと。いい仕事をすること。でも、からだの声に耳を傾けること。赤ちゃんを感じること。
斎藤さんの言葉のおかげで、迷いはすべて消えたのだった。

・ ・ ・ ・ ・ ・

レディースクリニック服部は、バースハーモニーの提携病院だ。今まで、助産院出産の場合、助産院での健診がメインでたまーに(あるいはトラブルがあった時に)産婦人科に行く程度だと思っていたのだが、バースハーモニーとレディースクリニック服部は、かなり密に連携しているとみた。
これは安心だ。
「お産=病院=安心」の一般的な図式に対して、自分のお産へのビジョンを説明するにも、十分な説得力をもつのではないだろうか。
(そして、それはこの日記を書いている23週現在、確固たる安心を担保してくれている)

まずは、わたしのお腹に赤ちゃんが宿っているのかどうか。それを確かめるべく、内診台のぼった。


(2008年10月19日公開)

4W●「お守り」を携え、いざ青森へ。

奥入瀬渓流

結局、青森へ出張に行くことに対して、心は決まっていた。
自分なりの理論武装をするための時間が必要だっただけのこと。
ただ、セカンドオピニオンを得るには早すぎる時期だった。普通の人なら、妊娠に気づくか気づかないか、という段階。そして万が一、病院で「妊娠初期に出張なんてとんでもない!」などと言われてしまわないように、受診するのは帰宅後でよいだろう、と判断した。

あとはいかに、青森で快適に過ごすか。滞在中の不安を取り除くか。
そのための対策に追われた。
とはいっても、取材自体がどう転ぶかはわからない。
ともかく取材に集中できるよう、余計なことはすまい、と決めた。
(これまで、取材で地方に行く時は、前後に何らかの予定を組むことが多かった。例えばその土地にいる知人に会ったり、興味のあるところをロケハンしてみたり)

心とからだの安定をはかるため、「お守り」を持って行こう。
まずは、つわりに効くホメオパシーのレメディ。エインズワースの42種類のキットから、自分の体調と心の状態にフィットするものを5つ選んだ。
Sepiaは生理痛にとてもよく効いていた。これを使うようになってから、市販の鎮痛剤は不要になっていたので、何らかの効果はあるだろう。
二日酔いの時のお守り、Nax.Vomも必要だろう。
ほかに、食欲が落ちていたのでArsen Alb.、唾液が分泌され軽いむかつきが伴う状況だったのでSulphur、動きや旅行、上下の運動時に起こる吐き気によいとあるCoculusを飛行機対策に携行した。

もう一つは、マリエン薬局ライフサポートブレンド
「安産ブレンド」ともいわれるほど、妊娠中のマイナートラブルのケアに効果があるという。
元々、ハードワークで疲れがちだったことから買っていたこのハーブティー、妊娠中、特に初期の不安を安らげる作用があるとか! まさに、今のわたしにこそ必要なもの!
ホテルにはポットもあるだろうから、水筒を持って行こう。これで一安心。

そして、ちょうどこの時発売されたばかりの、戸田りつこさんの『産むブック』。



COBOネットのウエダ家がデザインした美しい本。戸田さんはCOBO仲間(と呼ぶにはおこがましいほどのプロフェッショナルだが)であり、何度かCOBOの本で取材をさせていただいた。
妊娠、出産、育児とCOBOの可能性を切り拓いてくださった方。
この方のアドバイスが身近にあると思うだけで、なんだか安心できる。自分の妊娠をポジティブにとらえることができそうだ。

何かあればすぐに助けてもらえるだろう、この3つのお守りを携えて、いざ、青森入りした。
行きの飛行機では緊張からか、少し胸がむかついたが、ホメオパシーのレメディを投入して、気づいたら気分がすっきりしていた。
5日間という長丁場だったが、取材中は自分でもびっくりするくらいに集中し、いつも以上に仕事がはかどった。
ホテルで仕事ができるようにパソコンを持参したが、やはり疲れがあり、それはできなかった。
最終日のプレス同行可能のサイトツアーは、結局、ゲストの都合で六ヶ所村ではなく奥入瀬になってしまったが、わたしにとっては結局好都合で、新緑の美しい渓谷を満喫し、心身ともに癒された。

無事に横浜に帰ってこられた。
そのことだけで、お腹の中にある小さな存在に感謝した。
まだ実感は全然ない。でも、確かにわたしは、腹の中の人と一緒に、一つ仕事を成し遂げたのだ。

(2008年10月18日公開)

4W●出張は是か非か?

菜の花


TICAD4が無事に終わり、まずは1本、原稿をアップした。
妊娠した(だろうと思われる)ことに対する過度の興奮と緊張状態が混じった、異常とも言えるハイテンションの状態。そして、「つわりはいつ始まるのか……?」と、気になって仕方がない。

この頃、口の中に唾液がたまる、あるいは腹部膨満感と空腹感を覚えるようになった。これはもしやつわりの予兆では? と、期待?が高まる。
想像妊娠中に駆使した検索技を使い、一般のニンプがどのような状況に陥るのかを調べ、それに自分を当てはめて、恐怖におののいたりしていた。

さて、わたしはTICAD4の翌週にもイベントを抱えていた。7月の洞爺湖サミットに向けて青森で行われる、G8のエネルギー大臣会合(日本では経済産業大臣が参加)の取材をすることになっていた。関連イベントも含め、青森には5日間滞在する予定だ。妊娠初期の大切(と思われる)な時期に、そんなに長く出張していていいものなのか。
そもそも、飛行機は大丈夫なの? ストレスフリーな環境は胎児に何らかの影響を与える?? しかも、取材ではもしかしたら六ヶ所村に行くことになるかもしれない。周辺地域の放射性物質のレベルは???

またまた、ネットに向かうわたくし。「妊娠初期+出張」「妊娠+飛行機」「胎児+X線」など、検索ワードを並べ立てる。相も変わらず出てくるのは、ニンプの質問コーナー。
「妊娠初期の飛行機って大丈夫なの?」「妊娠前から決まっていた出張、どうすればいい?」などという問いに対して、「親切な」経産婦、流産経験者、ワーキングウーマンなど、様々な立場の女性が回答をしている。

・わたしは妊娠していることに気づかずダイビングをしたが平気だった
・ヒールを履いて石畳の街を闊歩し、たくさんワインを飲んだが元気な子が生まれた
・赤ちゃんに何かあったら後悔するから、初期は安静にすべきだ
・わたしは流産した。赤ちゃんのことを考えたら行くべきではない
・赤ちゃんと仕事のどっちが大切なのか? そんな時期に飛行機に乗るなんて非常識だ

……などなど。なかには、質問した人を罵倒するような感情的な内容の書き込みまで。

最初は、わたしも藁をもつかむ思いでネットの情報に頼った。
しかし、そこに書かれていることは、いち女性の個人的な経験に基づく私論がほとんどだ。医学的な根拠があるかというと、必ずしもそういうわけではない。それに、とある個人に対する医療の見解が、万人に当てはまるわけでもない。
価値観も違う。送ってきた人生も違う。健康状態も違う。感情の表し方も違う。あらゆることが異なる他人同士だ。しかも見ず知らずの。

果たして、ここでは答えは得られなかった。結局は、自分がどうするか、しかないのだ。
仕事をやるからには、きちんと全うする。そのスタンスは、子どもを持っても変わるものではない。
自分の判断に責任を持つ。これだって、子どもがいようといまいと、変わらないはずだ。
それが、どうしてこんなに、赤の他人の言葉に振り回されなければならないのか。
バカバカしい。わたしの人生、そんなことに左右されてたまるものか。

肝は据わった。
あとは、自分がどうしたいか、そしてそのために何をすべきか、それしかなかったのだ。

(2008年10月15日公開)

22W●ハードワークを反省。

不思議な秋の実

妊娠20~21週は、ともかくニンプ日記を書きまくった。
が、22週はどうだ。全然ダメー。その時間をとる余裕がまったくない。三日坊主も甚だしい。
この一週間、ニンプとして反省すべきことがたくさんありすぎた。
ともかく、ニンプとは思えないハードワーク週間。肉体労働あり、締め切りと取材が重なり、ヘロヘロに。
経産婦の先輩方に怒られそうなので、詳細は省きます……。

そんなわけで、22週は、ミジンコ氏(仮名)もややご立腹だったようで、腹の中からさまざまなメッセージを発しておった。
「母、働きすぎだよ。寝てくれよ。頭をボーッとさせてやるぞ」
「母、重いものを持っちゃダメだよ。ちょっと下腹を痛くしちゃえ」
「母、心配なら一度病院に行ってくれ。お医者さんに“無理するな”と言われれば、少しはブレーキかけるかな?」
「母、今日は取材でいろんなことをいっぱい感じすぎたみたいだから、これ以上別の情報は詰め込まなくていい。ゆっくりお風呂に入って早めに寝てくれ」
「母、何はともあれこの原稿は今夜終わらせよう。そうすれば明日は別の仕事に集中できるよ」
「母、今日はさすがに疲れているから散歩しなくてもいいよ。ちょっとお腹が張れば、がんばらなくて済むかな」

……こんな調子で、少しテンションダウンせよとの指令が出たからなのか、やや腹が張ったり、カラダがだるかったりし、適度に休みをとる必要に迫られてしまった。

もう22週。この週数以降に胎児に何かあったら、「流産」から「早産」に扱いが変わる。
医療措置を講ずれば胎児の命を救える「かもしれない」、ギリギリのところ。
仮に命だけは助かったとしても、その後健康に育つという保証はどこにもない。
この週数まで元気に赤ちゃんが育っているということは、受精卵には問題はないということ。この先、赤ちゃんを守るのは、母しかいないということだ。

もし「切迫早産」ということになり、緊急入院や絶対安静を言い渡されたら、その間の仕事はどうなるのか?
22週に詰まっていた仕事は、どれも代わりのいない、非常に大切な取材や締め切りだった(代わりがいないというのは、フリーの宿命だ)。
原稿を落としてしまえば、周囲に多大な迷惑がかかる。そうしないためにも、余裕をもったスケジュール調整、前倒しで動くことの必要性を痛感した(わたしは比較的前倒しで動く方ではある、ということは言っておく。笑)。
プラス、「ハードワークをしたら、必ずどこかで休みを入れる」ということ。疲れが蓄積する前に、からだと心を空っぽにしてリセットする。ぼーっとする。そうすると、立ち直りが早い。
リラックスすることの大切さをミジンコ氏に教えてもらった。

胎児の声を聴くということを通じて、初めて、「無理しない」「持続可能な」仕事の仕方というものを学べたような気がする。
妊娠とは、学びの時間そのものだなあ。

(2008年10月13日公開)

21W●ニンプ生活折り返し地点で振り返る

コスモス

21週0日は、妊娠133日目。
この日が妊娠生活の折り返し地点だ。
「まだ」半分、それとも「もう」半分??
感じ方は人それぞれだと思う。わたしにとっては、あっという間のようで、すごーく濃く、長かった。
泣いても笑っても、あと133日後には腹の中にいる人物が外に出てくる。今までの133日以上に、怒濤の133日が待っているに違いない。これまた楽しみだ。

妊娠発覚直後に、モールスキンの無地ノートを1冊買った。
週ごとに、体重と体調の変化、読んだ本、感じたことをテーマ別に書きためていった。
その他にも、常に携帯している「ほぼ日手帳」に、思いついたことを日々綴っていた。

それらを時系列ごとに読み返してみる。よくもまあ、あれこれ心配して、妄想して、楽しみにして。余りにも密度の濃い時間だ。
その割に、精神的な揺れは少ないように思う。感情を爆発させて泣いたことは、一度しかない。
仕事に対する不安と焦りは常につきまとっている。産前にできるだけ働いておきたい。産後もなるべく早く復帰したい。ブランクはできる限り短くして、立ち上がりを早くしたい。「ママさんライター」に埋没したくない。
時間さえあれば、そのためにどうしたらいいのかばかりを考えている。しかし、妊娠経過がことのほか順調なため、これまでと変わらず(わたし的には腹八分目で)仕事ができているので、思ったほど不安感はない。意外と何とかなるんじゃないかと軽く考えている。
夫が常にニコニコとして、わたしを労ってくれるため(そしてミジンコ氏に愛情を注いでくれるため)、とても気持ちが安定している。

ニンプ日記をブログ公開するにあたり、自分なりにインデックスをつくってみた。
現時点で8エントリー。過去に遡って書いた記事は5エントリー。その他に、37インデックスが残っている。すべて、メモは残っている。これをまとめきれるのかー(笑)。
そしてどのように整理、編集していこうか。それを考えるのもまた楽し。
少なくとも産後は、新たな難題(?)に日々追われ、ニンプ期を振り返る暇なんかなさそうだ。だから、ニンプ日記はニンプ中に完結させたいと思っている。

ニンプ日記を公開するのっていいな、と思ったのは、前出・戦友Tさんのmixi妊婦・育児日記をよく眺めていたから。彼女のリアルタイム時は、へえ~、こんなこともあるんだ、的に読んでいたのだが、今改めて読んでみるといろいろ参考になることが多いのだ。なになに、5カ月目の戌の日には全国から妊婦が水天宮に集結するとか、検診の前日においしいものを食べると尿検査や体重の数値がヤバいとか(笑)。
ニンプ日記を書く媒体をどうしようか、ずっと考えていた。
mixiは今までずっと愛用していて、個人的なことも含め、いろいろ書いていた。が、すべて知り合いという限られた空間のなかで、誰かを傷つけないよう、あるいは批判しないように、表現に気を使うことが増えていた。少し書き方が窮屈になっている気がしていた。

もう少し、自分の経験を自分らしく、でも普遍性や社会性のある事象として表現し、編集できないか。その実験フィールドがブログだ。
リアルタイムの感性をアナログに温存し、少し時間が経ってから冷静になって読み返し、編集し、裏付けを付加して公開する。誰が読んだっていい。自分を衆目にさらす訓練だと思い、チャレンジしてみる。
わたしは、自分自身のニンプ生活で、自分を実証実験している。今志向している、「都会でなるべく循環型(エコ)生活」の延長線上に、自分の出産を置きたい。
わたしはフツーの人間。特別なイデオロギー、志向性、行動を持たない。そんな人間にも「自然」はある。いちニンプの実験記録が普遍化できればおもしろい。

明日から、22週。

(2008年10月6日更新)

21W●脱・ジャンクフード

ほおずき


そういえば、ここのところ、ほとんどジャンクフードを食べていない。
助産院がマクロ志向で、食事指導が厳しいから、というのもある。
でもそれだけでない。「ジャンク=ミジンコ氏(仮名)が苦しむ」、という方程式が、自分の中にインプットされている。そして夫も毎日、念仏のようにそれを唱えている。

これまでは外出して小腹が減った時に、ちょっとしたものをコンビニやキオスクで買ってつまむことがあった(それでも一般女子よりは少ないと思うけど)。特に根を詰めた取材の後はからだが糖分or強めの塩分を欲するようで、そんな時にジャンクフードはうってつけなのだ。そして、腹と脳をインスタントに満足させる。

で、言うまでもないが、ジャンクフードはとてもケミカルだ。食欲をそそるための香料、楽しげな食感、抜群にコントロールされたうまみ(アミノ酸等)、どこでどのように調達したのかわからない原材料、ギリギリまで下げたコスト、長期保存できる仕組み。
いずれをとっても、シンプルな材料で、シンプルな工程でできているものって、あまりないような気がする。ドライフルーツにも香料や保存料が入っている。

極端な言い方をすると、「毒を摂取するくらいなら我慢しよう」ってな感覚が働くようになった。ちょっと財布のヒモがゆるみそうな時に、この極論はいいブレーキになる。
それでも耐えきれずにつまんでしまうことも(たまーに)あるのだが、食後、だいたいにおいて後悔する。甘すぎたり、辛すぎたり、ピリピリしすぎたり。
そしてどのお菓子にも共通している単一の「うまみ」と「あまみ」。菓子の世界にまでモノカルチャーは進出していたのか。人間の舌って単純化しているのだなあ、と思う。これは危険だ。

そして、自分が今までいかに安易に間食をし、体内にケミカルを蓄積してきていたのかに対して、鈍感すぎたのだなあと思う。

何かを食べるにしても、飲むにしても、ミジンコ氏(仮名)の視点で考えることが、本当はスタンダードなのかもしれない。
少なくとも今、わたしはとても健康だ。

(2008年10月5日更新)

21W●友人の赤ちゃんでシミュレーション

081004サラちゃん

今日は戦友Tさんが、1歳になったばかりの娘・サラちゃんを連れてきた。
チョーかわいいサラちゃん、久しぶりのキタハラ家に興味津々(もしかして胎内以来?)。
さっそく炬燵テーブルの角に頭をぶつけて号泣、その後も本の束をつかむ、DVD-Rをなめる、リモコンを吸う、コンセントを引っ張る等、好奇心のままに探求を始める。
実使用しているリモコンが死んでは困るので、壊れたリモコン(同型)を渡したら、それでも喜んでなめまわしてくれた。夫の手あかが染みついているのに。Tさん曰く、「家では絶対になめさせてもらえないから喜んでいる」とか。

もちろん彼女、リモコンだけで満足するはずもなく、次の刺激を求めては動き回る。
1歳のサラちゃんにとって、ダイニングテーブルは手の届かない場所。つまり聖域。
ゴミ箱、本類、その他諸々、彼女の興味の対象となりそうなものは、すべて聖域に祀られることとなった。これでは手も届くまじ。

しかしサラちゃん、めげない。ついに我が家の「夫蔵」こと、焼酎棚に目をつける。下戸のパパに似ず、焼酎や梅酒のビンにさっそくマーキング。この棚、無印良品の組み立て式スチールラックなのだが、スケルトンの衝立に棚板を渡すだけのシンプルな構造で、サラちゃんがつかむのにもってこい。力の加減を間違えれば、倒れてこないとも限らない。
つまり夫蔵が、我が家の危険ゾーンだということが判明した。
三岳が、魔王が、泡波が、田崎真也セレクトのワインが、自家製5年もの梅酒が、棚ごと崩壊してしまうかもしれない……! いやいや、赤ちゃんの身が危険なのだ(笑)。

なるほど、サラちゃんの行動を見てみると、乳幼児の行動パターンや目線、興味の行く末がよくわかる。これも1歳0カ月という月齢ならでは(そしてサラちゃん独自の)行動なのだろうが、大人だけで暮らしているわたしたちには、まったくわからない世界だ。
つまりサラちゃんが、身をもって1年半先の我が家に必要なことを教えてくれたと言えよう。
そうか、我が腹の中にいるミジンコ氏の先輩諸氏を借りてきて我が家に放し飼いすれば、それぞれの月齢ごとの行動パターン、対策ポイントが前もってわかるではないか!

Tさんサラちゃんに感謝しつつ、夫帰宅後、夫蔵の危険性について報告。早く移動すべきだとか、棚を解体すべきだなどと提案するわたしに、夫は「妻はどこまでせっかちなんだ。あと1年半も先のことなのに」と、相変わらずも呆れた様子だった。

(久々のリアルタイム更新☆2008年10月4日執筆)
プロフィール

キタハラマドカ(おでこが広いからtecoちゃんがニックネームでした)

Author:キタハラマドカ(おでこが広いからtecoちゃんがニックネームでした)
団地暮らしと酵母生活の達人目指す、フリーのライター・編集者。仕事は、生きることそのもの。水環境ジャーナリストを師匠に、鬼校閲者を友に、チーム仕事も繁盛中でございます。
ウエダ家とともにCOBOの普及活動に勤しむ、日本初のCOBOライターでもあります。
得意分野は、食環境、住環境、地球環境。地球温暖化や食の安全・安心、エコハウス関連の仕事が多い今日このごろ。仕事の内容についてはカテゴリ【work】をご参照ください。
夫と愉快な仲間たちがやっているNPO法人【Waveよこはま】のブログにてエココラムを執筆中。
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新ブログ「たまごはん」スタート! たまばあちゃんのイラスト入りレシピをたま母ちゃんが料理し、たまが食べる。母娘孫と3代に渡る食を紹介します。

☆キタハラ、2009年1月に出産いたしました☆ニンプ日記は未完のまま産後生活に突入。ぼちぼち、育児日記出産ドキュメント布おむつ生活産後の体のこと姿勢のことなどを書きつづっています。
相変わらず時系列はぐちゃぐちゃ。しかし、テーマごとに思考を詰め、まとめる作業は苦しくも、おもしろくあります。気長に見守っていてください。
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