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【eco本】気候変動+2℃

(この文章は【Waveよこはま】のブログに執筆したものです)


「地球の気温は、この100年間で0.76℃上がった」
こう言われても、ピンとこない人は多いと思います。
しかし、平熱が36.5℃の人の体温が0.76℃上がったとしたら、37.26℃。だるくて、ぼーっとして、ちょっとつらいはず。
今の地球は、そんな状態と言えます。
そして、IPCCの報告によると、2100年までに地球の温度は最大6.4℃上がるとか。
体温に換算すると……、42.9℃!!
この体温が続けば、まさしく生命の危機。
地球は今、そんな状況におかれているのです。

気候変動 +2℃』のタイトルにある+2℃は、「人類が越えてはならない一線」と、編者であるThink the Earth プロジェクトの上田壮一氏はまえがきで語っています。
わたしたちの暮らしによって、地球の気温上昇はすでにとどめることのできない流れとなっています。
でも、100年後に+6.4℃までにはならないよう、人類が一丸となって地球温暖化防止に力を注ぐことで、+2℃までのラインを維持することができるはず……なのです。

本書は、右ページに地球の地図、左ページに地球の歴史、温暖化のインパクト、コラム、未来を変える取り組みで構成されています。
ページをパラパラとめくると、1950年から2100年までの150年間の地球の気温の変化が如実にわかります。
地図上に表示される色は、1900年との気温の差。赤から黄色になるにしたがって気温が上昇していることがわかります。
ページを繰るたびに、黄色いもやがかかっていく地球……。どこか、おそろしさを覚えるのは気のせいでしょうか。

気温は、目には見えない。だからこそイメージするのは難しい。
でも今、誰もが「暑い」「何かおかしい」と感じているはずです。
その直感、危機感を「行動」に移さなければ、わたしたちの子どもたちの未来は、ない。恐ろしいですが、目を背けてはならない「不都合な真実」と言えそうです。







eco本『もったいないばあさんと考えよう世界のこと』

(この文章は【Waveよこはま】のブログに執筆したものです)

……「もったいない」っていうことは、命を大切にするということなんじゃよ……

ずしっと重みのある言葉です。
これは、大ベストセラー絵本『もったいないばあさん 』の作者である真珠まりこさんが、地球で起きているさまざまな問題と世界の子どもたちに起きている現実を、子ども向けにわかりやすくまとめた『もったいないばあさんと 考えよう 世界のこと』の帯に書かれている一言です。

この本には、世界の10人の子どもが登場します。みんな9歳。児童労働をしているインドのアムルータちゃん、さらわれて兵士になったシエラレオネのソロリスくん、そして好ききらいで食べ残しをする日本のはなこちゃん……。
同じ9歳なのに、どうしてこんなに暮らしが違ってしまうのでしょうか。

今、世界では異常気象や水不足、森林破壊などが深刻化し、貧困、紛争などが後を断ちません。
一見すると、平和で、豊かな日本に暮らしているわたしたち日本人には、関係なさそうなことばかり。
でも、決してそうではないのです。
日々の食べものに事欠く子どもがいる一方で、日本では食べものの6割を海外から輸入し、その多くを食べ残しています。
「もったいない」の意識を持ち、わたしたちが行動を変えることで、地球で起こっている問題をよい方向に変えていくことができるかもしれない。
本書のあちこちに登場する「もったいないばあさん」のアドバイスを読むことで、日々の暮らしを変えるための気づきが得られます。

この本は、子どもだけでなく、ぜひ、大人にも読んでほしい本です。
内容が深く、わかりやすいことはもちろんのこと、描かれた子どもたちの哀しい目に、「何とかしなきゃ!」という気持ちが湧き上がってくるのです。

また、『もったいないばあさん』『もったいないばあさんがくるよ! 』『もったいないばあさん もったいないことしてないかい? (講談社の創作絵本)』のシリーズは、「もったいない」のセンスを学ぶうえで欠かせない必読の書。
日本で昔から受け継がれてきた生活の知恵、楽しい遊び、いのちを大切にする心を育む……。大人が読んでも楽しくて、暮らしに役立ち、大切なことを教えてくれる本です。こちらもぜひ。


 * * *

ちなみに、キタハラが書いた真珠まりこさんへのインタビュー記事は、こちらで読むことができます。
babycom ecology「ちきゅうの食卓」
シリーズ4:「もったいない」のセンスで考える ー 世界と食のこと

 * * *


   






eco本『不都合な真実』

(この文章は【Waveよこはま】のブログに執筆したものです)

今回から、エココラムと合わせて、不定期で「読んでおきたいエコ入門BOOKコーナー」を開始します。

キタハラは仕事柄、たくさんの資料本を読みます。環境問題に関する本は、専門的で難しいものが多いのですが、一方で、多くの人に地球の問題をわかりやすく伝えるには、難しいばかりだと敬遠してしまいますよね。
デザイン、グラフィック、文章、構成、切り口などがユニークなものだと、本としてもおもしろく、手にとってみたくなる&手に入れたくなるものです。
環境問題は、言葉で危機感をあおるだけでは、実際の「行動」に結びつかないのです。
客観的かつ科学的なデータ、そして現実に起こっていることの写真などによって、「環境問題は他人事ではない、わたしたちの未来の問題なんだ」と気づきを与えることが必要です。

そんなわけで、これまでにキタハラが読んでみておもしろかった本、わかりやすい本をこのコーナーではご紹介しようと思います。
 
 * * *

第一弾は、何と言っても『不都合な真実』です。
2007年の1月に日本語版が発売され、瞬く間にベストセラーになりました。地球温暖化問題への警鐘を鳴らし、世界中が改めて関心を高めたという意味で、その功績はあまりにも大きいと思います。アル・ゴア元米国副大統領が、IPCCとともにノーベル平和賞を受賞したのもうなずけます。

この本は全325ページ、2940円と、いろんな意味でちょっと「重め」ではありますが、大胆なグラフィックデザイン、豊富なデータ、暮らしの提案、アル・ゴア氏のライフヒストリーが巧みに織り込まれ、飽きることがありません。
融解する氷河や、ハリケーンによる水害のショッキングな写真、刻々と変化する地球の地図に、「今、動かなければ地球は本当にヤバい」という気にさせられます。
また、アル・ゴア氏の政治家としての働きを知るにつけ、環境問題はまさに政治そのものになりつつある、ということを知ることができます。

同書の内容をよりわかりやすく、簡単にまとめたのが『不都合な真実 ECO入門編 地球温暖化の危機』です。内容も、重量も、お値段も「軽め」ではありますが、わたしは断然、完全版のほうをおすすめします。

また、DVD『不都合な真実 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]』もおすすめです。
DVDを観てから本書を読むと、より地球温暖化問題への理解が深まるはずです。


  







リターナブルびんのポータルサイトがオープン!

(この文章は【Waveよこはま】のブログに執筆したものです)

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このブログではこれまでに何度か、リターナブルびんについての記事を書いてきました。
リターナブルびんとは、洗って繰り返し使えるガラスびんのこと。
ビールびんやお酒の一升びん、生協は食品宅配会社の牛乳びんなどがそれにあたります。

一昔前までは、醤油やみりん、酒、ビールなどが入っていたびんは、使い切ったら洗い、酒屋さんや、びんを回収してまわる「びん商」に返却する、というのは、どの家庭でも当たり前の風景でした。
Wave世代(30代)でも、子どものころ、びんのコーラを飲んで、飲み終わったら自動販売機の横のカートに返す……という経験をしているのではないでしょうか。知らず知らずのうちに、実はびんのリユースに参加していたことになります。

ところが、ここ20年くらいで状況は一変。
びんを洗って殺菌し、乾燥させる手間よりも、びんや缶、ペットボトルを使い捨てした方が、便利で処理も楽……という理由から、リターナブルびんは衰退の一途をたどっていきました。
ごみ問題や環境問題への意識の高まりから容器のリサイクルが進められるようになったものの、リユースとリサイクルではどちらが環境負荷が大きいのかは一目瞭然です。

たとえば、びんをリサイクルする場合、一度使ったものは粉々に砕いて「カレット」というガラスくずの状態にし、そこからガラスをもう一度つくる、あるいはタイルに再生する、という工程を経ます。
みなさん、ガラスを割ってしまうとものすごくもったいないような気がしませんか? 実は、「リサイクル」の名のもとに、毎日大量のガラスが砕かれているのです。
リターナブルびんは、ペットボトルやワンウェイびん、アルミ缶、スチール缶に比べて、複数回(5~20回程度)使うことによってCO2排出量、大気汚染物質である硫黄酸化物の発生量が少なく、エネルギーや水資源の使用も圧倒的に少ないにもかかわらず、です。

こうした「もったいない」状況を改善しようと、市民団体や業界団体が中心となって、リターナブルびんの復活と普及活動を行っています。
でも、わたしたちの身の回りに流通しているびん、どれがリユースできるものなの? どうやって回収しているの? そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。

そんな時に役立つのが、この春にオープンしたばかりのリターナブルびんポータルサイト「リターナブルびんナビ」
各メーカーが出しているリターナブルびんを使った商品の検索機能や、リターナブルびんの環境性能、市場動向など、さまざまな情報が掲載されています。
例えば、ビール、日本酒、焼酎、ワイン、ジュースやお茶、牛乳、調味料、食品など、商品カテゴリー別にどのびんがリユースできるのかを検索できたり、メーカーごとに商品の写真を見てリユースできるびんを確認することができます。

まだ一部のメーカーや生協の商品しか掲載されていないのですが、わたしたち消費者が「びんは一回限りの使い捨てにしてはもったいない。なるべく繰り返し洗って使えるリユースびんにしてほしい」という気持ちを持てば、飲料メーカー等を動かすことができます。
メーカーにとっても、リユースに取り組むことで環境貢献をアピールできる、というメリットにもつながるはずです。

まずはリターナブルびんナビをのぞいてみて、身の回りのリターナブルびんを把握し、商品選択の際の参考にしてみてください。

リユース食器の一歩先行くマイ食器

リユース食器の一歩先行くマイ食器

(この文章は【Waveよこはま】のブログに執筆したものです)

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先の日曜日、キタハラ家では「アースデー東京」に行って来ました。
キタハラにとってアースデーは、仕事のネタ探し、取材先で知り合った人との再会、そして安全で美味しい食材やグッズとの出合いが得られるイベントで、毎年欠かさず足を運んでいます。
今年は生まれたばかりの娘を連れていきましたが、人の多さに途中でぐったりとしてしまいました。
公式発表によると、来場者は2日間で14万人だとか。
それだけ「地球のことを考えるお祭りに参加する人」が増え、「エコの環」が広がってきたと言えます。

Waveが活動を開始する直接のきっかけになったのが、2年前のアースデーです。
キタハラ家と金子家で一緒にアースデーに赴き、ランチを食べる時にリユース食器を借りました。
ビールを飲んで、ビンを返せば100円をもらえる。
代表とキタハラ氏にとっては初めての経験。
「こうすれば、ハロウィンでもゴミが出ないんだよな」と、食事を食べながら何やら真剣に話し込み、その半年後のハロウィンイベントではリユース食器を導入、さらに半年後にはWaveよこはまが立ち上がった……という経緯があります。

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アースデーではすっかりリユース食器が定着したようですが、今年、特に目に付いたのは「マイカップ」「マイ食器」を持参する人の多さです。
リユース食器の貸し出しコーナーは、お昼前にはすでに長蛇の列で、ようやく借りられたと思ったら食べものにありつけるまでも大行列。これではちょっとうんざりです。
マイ食器を持っていれば、飲食ブースに並ぶだけ。圧倒的に楽ですよね。
キタハラたちの友人・Mファミリーは、お弁当を持ってきていたので、人混みにまみれることなく、小さい娘さんはニコニコでごはんを食べていたそうです。

一歩先行く人たちは、リユース食器よりもマイ食器の持参が当たり前で、楽。
おしゃれなスタイルとカッコいい食器(塗りのお弁当箱とか、ニュアンスのあるブリキの食器、飯ごうなど)に目を奪われ、「キタハラ家ではイベント参加時にマイ食器を持参しよう!」と、さっそく、ミーハー心丸出しで決意したのでした。

ちなみに、本当の「アースデー」とは、4月22日だそうです。
「地球の日」と名付けられ、世界各地で持続可能な社会を表現するためのイベントが行われています。

【Wave】エコピープル誕生!

(この文章は【Waveよこはま】のブログに執筆したものです)

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だいぶ前の話になりますが……
昨年12月、代表とキタハラは、eco検定(環境社会検定試験)を受検しました。
今は空前の「検定」ブームです。eco検定では、環境と経済を両立させた持続可能な社会を目指すために、環境に対する幅広い知識を持ち合わせた人づくりを目的としています。
試験の内容は、地球温暖化から公害問題、生物多様性、食の安全、持続可能な社会システムに至るまで非常に幅広いものです。
もちろん、リユースを始めとする3Rについての基礎知識も求められます。

Waveでは、3Rを広めること、横浜からリユースの波をおこすことを活動の根幹においています。
リユースの大切さを伝えるためには、ただ皿を洗うだけではなく、なぜ今リユースが必要なのか、社会的、経済的な意味を理解したうえで発信することが必要です。
ただ、今日の環境問題は非常に幅広く、何を、どこから、どのように勉強すればいいのか難しいところです。
そこで、eco検定を一つのきっかけに、環境問題への認識を深めることができれば……と思って受験したのです。

そして結果は……
代表、キタハラともに合格しました。
合格すると「eco検定合格証」がもらえ、エコピープルとして認定されます。
エコピープルには情報交換や交流の場が設けられ、今後、さまざまな個人や団体とのつながりを得られることになります。
何より、受験勉強を通して、環境問題への総合的かつ体系的な知識を得られたのが収穫でした。
今後は、この知識をもとに「皿洗い」の実践を通して、リユースを広めるために何が必要なのかを考え、行動していきたいと考えています。


さて、おまけです。
eco検定合格の秘訣をお伝えしましょう。
過去問題を繰り返すよりも公式テキスト(改訂版 環境社会検定試験eco検定公式テキスト)をしっかりと読みこなすことが合格への近道です。


特に、巻末の年表(環境行政の歩み)をしっかり頭にたたきこむのがポイント。
公害問題の発生、克服、自然保護の隆盛、地球温暖化問題での国際交渉などの流れをつかむことで、今の時代の機運とトレンドを読み解くことができます。
大ざっぱに時代の流れをつかんだら、各ポイントに落とし込んで用語やベースとなる背景を理解すると効率的だと思います。

eco検定、次回は7月26日です。
興味のある方、環境問題への知識を深めたい方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

【Wave】リユースおむつ

(この文章は【Waveよこはま】のブログに執筆したものです)

昨年末以来、久しぶりの「エココラム」更新です。
産休中も少しでもコラムを更新しようとネタを仕込んでいましたが、まとめる前に赤ちゃんが産まれてしまいました……。
産後は「目(頭)を使わない」「重いものを持たない」「水をさわらない」の三箇条を守り、ともかく6週間は母体の回復にいそしみました。
2カ月経ったようやく今、復帰と相成りました。
今後また、環境問題の最新動向や、身の回りで実践できるエコ行動についてのコラム、そして新コーナーとして「読んでおきたい基本のエコ本」を紹介したいと思います。

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さて、今回は産後第一段にふさわしい内容(?)です。
キタハラ家の赤ちゃんは、布おむつを使っています。
なぜ布おむつかって?? 
キタハラ夫妻はWaveの活動をしているから……という冗談はさておき、しかし、あながち笑い事でもなく、「一回使ったら捨てる」紙おむつよりも、「繰り返し洗って使い回す」布おむつのほうが、使っている自分たちも気持ちがいいからなのです。

紙おむつと布おむつの環境負荷を比較すると、ゴミの面では布おむつに軍配が上がります。
しかし、洗濯の際に水や洗剤を使うという意味では、必ずしも「布だから環境にやさしい」とは言いきれません。
それは、リユース食器でも同じですね。
要はゴミの問題だけでなく、「使い捨てをしない」という点で心理的なメリットがあるように思えます。

コストの面では布おむつのほうがかなりおトクなのは間違いありません。
我が家では、イギリス製の布おむつ「バンビーノミオ」一式を買ったのみで、あとは友人から布おむつやおむつライナー、おむつカバーなどをもらったので、ほとんどお金がかかっていません。
しかも、実家の母が、亡くなった祖母の着ていた浴衣をほどいてさらしにし、おむつに仕立ててくれたので、全部で100枚以上あります(これも立派なエコですね)。追加で購入する必要もほとんどないような気がします。
ただし、成長に合わせておむつカバーは買い替えなければなりません。
また、水道代、洗剤代は結構かかると思います。

使い心地については、大人でもそうかもしれませんが、洗い立ての布を肌につけるのはとても気持ちがよいもの。
赤ちゃんだってきっと同じだと思います。
赤ちゃんは、おむつが濡れれば不快なので泣いて知らせます。すぐに取り替えてあげればニッコニコ。「快/不快」の感覚が育ちやすいのも布おむつの特長と言えます。

「紙おむつ/布おむつ」を比較してみると、「紙の食器/リユース食器」とおもしろいくらいに共通していることがわかりますね。


……念のため、キタハラ家では紙おむつを批判しているわけでも、布おむつを推奨しているわけでもありません。
汚れたおむつをきれいに洗って干し、日に当てて乾かしてたたんで、きちっと並べるのが気持ちいいから。
おむつを換えた時の赤ちゃんの表情がかわいいから。
その一手間が、やっていて心地よいから。

……あれ? やっぱり布おむつはリユース食器と似ているかも……。


低炭素社会を実現するためには?

(この文章は【Waveよこはま】のブログに執筆したものです)

今回は、「温暖化対策のシナリオ・その4」。最終回です。
前回は「脱温暖化2050プロジェクト」の提案する2つの社会イメージをご紹介しましたが、今回は、低炭素社会を実現するためにできる方策についてお話します。

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Waveよこはまのメンバーは20代~30代が中心です。小さな子どもがいたり、これから親になるという人もいます(もちろん結婚したい! という人も)。
わたしたちの寿命は、せいぜいあと50年程度。「2050年にCO2を70%削減できたかどうか」を見届けることができるかどうか、というところでしょう。
ところが、我々の子どもたちは、2050年にはまだバリバリ現役です。今のわたしたち同様、仕事に、社会活動に情熱を燃やしているころでしょう。その時の日本が、世界が、「もう世も末……」みたいな状況だったら、子どもたちは夢や希望を持って生きることができるでしょうか。

地球温暖化は、今後何十年かは間違いなく進んでいくことが予想されています。ただ、今のペースで温暖化が進み続けると、2100年の地球は、人が豊かに暮らしていくのは難しく、もしかしたら滅亡の危機、ということもあり得るのです。
子どもたちに未来を残していくためには、少しでも早く、かつ急激に、CO2を始めとする温室効果ガスの排出を減らし、低炭素社会をつくっていかなければなりません。
そこで、「脱温暖化2050プロジェクト」では、日本社会の得意分野と、文化的・社会的特性を生かした12の具体的方策を示しています。

この中には、個人でできる方策と、社会全体で取り組むべき方策が含まれています。
だいじなのは、「こんな社会に住みたい」とイメージできるかどうか。
それをわたしたちが求めていけば、行政も、企業も、「低炭素社会」に向けて舵を取るはずです。

以下に、12の具体的方策をご紹介します。
地球環境問題は、個人だけでも、企業だけでも、国家だけでも解決できません。
みんなで手を取りあって、未来世代へ豊かな社会を残すことが今、求められているのです。

01・自然にやさしい快適な住まい
02・「買う」から「賢く借りる」へ
03・地域の恵みを旬にいただく
04・森や木に包まれる暮らし
05・美しい未来を支える産業・ビジネス
06・情報共有でスムーズなモノの流れ
07・歩いて暮らせる街づくり
08・CO2をできるだけ出さずにつくった電気の供給
09・太陽と風力でエネルギーの地産地消
10・次世代エネルギー供給
11・いつでもどこでも「見える化」
12・自分たちの手で「低炭素社会」を実現

低炭素社会、二つのイメージ。

(この文章は【Waveよこはま】のブログに執筆したものです)

今回は、「温暖化対策のシナリオ・その3」です。
日本が目指すべきこれからの社会のあり方とは?

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新聞や雑誌、テレビなどで「低炭素社会」という言葉を聞いたことはありませんか?
文字通り、地球温暖化の大きな原因となっているCO2(炭素)を減らし、炭素に依存しなくても生きていけるような社会を構築することを目指した言葉です。
そのために私たちがすべきなのは、CO2の排出量を減らすこと。日本では「2050年までにCO2を60~80%減らす」という目標を掲げましたが、実際に「70%までは削減できる」との報告をまとめたのが国立環境研究所を始めとする「2050 日本低炭素社会シナリオチーム」の「脱温暖化2050プロジェクト」です。

シナリオでは、将来の日本社会のあり方について、二つのイメージを提案しています。
一つは「活力・成長志向の社会」。経済や社会の活力を重視し、1人当たりGDPは2%成長を続けます。技術革新によるブレイクスルーやリサイクルが進み、より便利で快適な社会を目指す都市型・個人主義の社会システムができあがります。ドラえもんが活躍しそうな社会のイメージですね。
もう一つは「ゆとり・足るを知る社会」。地方に人が分散し、コミュニティを重視する社会で、一人当たりGDPは1%程度のゆっくり成長です。地産地消は当たり前で「もったいない」精神で必要な分だけの生産、消費が行われ、社会的・文化的価値を尊ぶ傾向が強まります。トトロに出てくる「サツキとメイの家」のようなイメージの社会と言えます。

今後、どのような社会を志向するかは、今の我々の暮らしにかかっています。
日本はこれまで、経済成長を重視し、技術革新によって世界をリードし続けてきました。今後もその方向で、より環境重視型の技術を世界に提案していくことになるはずです。家電の効率はどんどん上がってよりエコ仕様となり、情報通信ネットワークもより高度に進化するでしょう。つまり、活力志向の社会が進んでいく可能性が強いと言えます。
一方で、「スローライフ」や「スローフード」が流行し、自分で畑をつくったり、田舎暮らしに憧れを持つ人が増えているのも事実です。少々値段が高くても国産で、生産者がわかる安全な食べものを求める、食べものばかりでなく、住宅でも地産地消を重視する人が出てきました。NPOバンクのような、従来とは異なる新たな金融システムも誕生しています。

二つの社会イメージは、どちらも今の社会のニーズを色濃く反映していると言えます。これらは決して相反する概念ではなく、うまく補完しあいながら進んでいくことが求められます。
わたしたちの次の世代に「未来」を残していくためには、具体的なイメージが必要です。
どんな社会をつくっていきたいのか、そのためには今、何をしなければならないのか。
今日から日々の生活の中で考えていきませんか?


詳しく知りたい方はこちらの本をご覧ください。
『日本低炭素社会のシナリオ―二酸化炭素70%削減の道筋』
西岡秀三・編著 日刊工業新聞社


バックキャスティングという考え方

(この文章は【Waveよこはま】のブログに執筆したものです)

今回は、「温暖化対策のシナリオ・その2」と銘打ち、「バックキャスティング」という考え方についてご紹介します。

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ものごとを取り組む時、誰しもが必ずといいほど目標を立て、それに向かって努力をするはずです。
しかし、目標の立て方は人それぞれ。
例えば、「今のわたし」ができることをコツコツと積み上げていくタイプの人がいます。こういうタイプは、目の前にある現状から将来の予測を立て、それに合わせてできる対策を立てていきます。ある意味、受動的とも言えます。
一方で、「将来こういうわたしになりたい」とビジョンを描き、その理想像に向かって突っ走る人がいます。いろいろな制約はあるものの、理想とする将来像に向けてそれに至る道筋を自分で切り拓いていくので、能動的、主体的と言えるでしょう。

前者のような目標の立て方を「フォアキャスティング」、後者を「バックキャスティング」といいます。

さて、温暖化対策のシナリオに話を移しましょう。
「地球温暖化は待ったなし」とはよく言われますが、現に気温は生態系が許容できる範囲を大幅に超えたレベルで上昇を続け、豪雨や猛暑などによる被害は激度、頻度ともに科学者の予想を遥かに上回るペースだといいます。
「2050年に世界の温室効果ガスの排出量を50%削減する」というテーマが国際公約になりつつありますが、それは「実現しなければ100年後の未来はない」ほどに緊迫した目標です。削減枠をどのように割り当てるか議論をしている間にも、着々と地球温暖化は進んでいるわけですから。

そんな状況のなかで、「地球温暖化が起こっているといっても、今はまだそれほどわたしたちの生活に不便はないし、もうちょっと様子を見ていても何とかなるのでは」と静観しているうちに、温暖化の進行によって地球環境が壊滅的な被害に遭ってしまったらどうなるでしょう。
地球温暖化対策は「フォアキャスティング型」ではもはや間に合わない、何かあってからでは遅いどころか、地球を滅亡させてはならない、というたいへんな問題をはらんでいるのです。
「近い将来に絶対に温暖化の進行を食い止める」という最低限の目標を達成するために、今、何をしなければならないのかを考え、すぐにでも対策を始めなければなりません。つまり、ここで必要になるのが「バックキャスティング」という考え方です。
早めに目標を決めることができれば、目標を達成するための道筋はその分、たくさんできることになります。一つの方法に縛られることなく、うまくいかなければ早めの軌道修正も可能です。

今、先進国の多くは、
・2050年までに60~80%のCO2を削減する
・CO2を出さない国づくりを目指す
など、たいへん野心的な目標を掲げ、それに向けてさまざまな政策を打ち立てています。それをどのように実現していくか、国ごとに個性が現われています。北欧、ドイツ、イギリス、アメリカ、日本……。比較してみるとなかなかおもしろいものですよ。
プロフィール

キタハラマドカ(おでこが広いからtecoちゃんがニックネームでした)

Author:キタハラマドカ(おでこが広いからtecoちゃんがニックネームでした)
団地暮らしと酵母生活の達人目指す、フリーのライター・編集者。仕事は、生きることそのもの。水環境ジャーナリストを師匠に、鬼校閲者を友に、チーム仕事も繁盛中でございます。
ウエダ家とともにCOBOの普及活動に勤しむ、日本初のCOBOライターでもあります。
得意分野は、食環境、住環境、地球環境。地球温暖化や食の安全・安心、エコハウス関連の仕事が多い今日このごろ。仕事の内容についてはカテゴリ【work】をご参照ください。
夫と愉快な仲間たちがやっているNPO法人【Waveよこはま】のブログにてエココラムを執筆中。
このブログはのんびり気ままに更新中。

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横浜からリユースの波を! を合言葉に、リユース食器の普及活動をしているNPOに参加しています。Waveよこはまブログで、エココラムを執筆しています。
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☆キタハラ、2009年1月に出産いたしました☆ニンプ日記は未完のまま産後生活に突入。ぼちぼち、育児日記出産ドキュメント布おむつ生活産後の体のこと姿勢のことなどを書きつづっています。
相変わらず時系列はぐちゃぐちゃ。しかし、テーマごとに思考を詰め、まとめる作業は苦しくも、おもしろくあります。気長に見守っていてください。
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