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葛藤。

指を喰らう
(あんたは食うもの考えなくていいから楽だよね……←母ちゃん、心の叫び)

妊娠が判明し、自宅出産をしよう! と決めてから1年が過ぎた。
バースハーモニーでの自宅出産を目指すにあたり、この高いハードルを飛び越えるためには、食を整え、安産に向けたからだづくりに取り組むことが必須条件だった。
そこで示された食のあり方。玄米菜食。特に砂糖、果物はいっさい禁止。果物の中で最も中庸とされるりんごすら控えよ、とのこと。
もちろん肉、魚、卵、乳製品もダメ。食べるとしてもごくたまに、毒消しとして大根おろしや椎茸スープ、そして「玄米酵素ハイゲンキ」というサプリメントを採ることを薦められ、今に至る。

安産のために……! と、妊娠期間中、特に最後の2カ月はストイックなまでに取り組み、産後はおっぱいのために、と、これまで妊娠中以上の厳密さが求められた。
妊娠中は胎児の様子がわからないので、最初の頃は自己判断で「ゆるく」なりがちだったが、産後はそれがみるみるおっぱいや、赤ちゃんの肌に現われる。
産後、「ようやくストイック生活から解放された!」と、実母や義母の差し入れ(ひじきの煮付けやクリームシチュー、草クッキー、焼き芋など、ヘルシーではあるのだが)を喜んでつまむと、如実におっぱいが「ガチーン!」。
ちょこちょこと現われるたまの湿疹、詰まる自分のおっぱいなどと対峙し、こりゃまた、ストイックに取り組まざるを得ない状況に追い込まれた。
そして言い渡されたのが、産後1カ月くらいは、玄米粥(あるいは玄米ご飯)、漬物、味噌汁のみと言われ、おかずは摂取するな、と。
料理好きの実母はわたしの食生活に飽きが来ないようにと、野菜のみの展開料理で日に7~8品はつくってくれていたのに、それすら食べることができないわたしに、面食らっていた。

そんな日々も春の訪れとともに少しゆるみ、たまの肌もいちいち過剰反応しなくなり、わたしは、自己判断でちょこちょこと、食べたいものを食べるようになった。
とにかく、スコーンにはまってしまった。実は、産後初めて食べた嗜好品が、スコーンだった。それで一気に火がついてしまった。お店によっては、バターや卵が入っているものもあったが、時たま、食べてしまった。
あとは、クッキー。さすがに卵、乳製品なしのものを選んで買っていたが、市販のもので砂糖なしなのは「エルフの焼き菓子」「親指トム」「ツーロング」くらい。メープルや粗製糖、てんさい糖入りは許容することもあった。
実母が草のクッキー工房をやっていることもあり、自分で羅漢果を買って(羅漢果だけは摂取可能な甘味、とされている)送り、それでクッキーを焼いてもらうこともあった。

でも、市販のものよりも、自分でつくったほうが(あるいは母のクッキーであれば)、素材は確実だ。
砂糖、乳製品、卵不使用のスイーツ。いろいろチャレンジした。
ズッキーニのパンケーキ。米ぬかクッキー。キャロブとナッツのバー。ひえカスタード。葛練り。豆腐とおからのチーズケーキ風。
しかし、市販品よりも抑制がきかない。ついつい、食べ過ぎてしまう。

結局、「あれば、食べる」。
菓子材料として購入したレーズンやくるみも、ついポリポリ。きなこに羅漢果、塩を混ぜてサラサラと流し込む。甘酒をペロペロ。梅を羅漢果で煮たジャムをむしゃむしゃ。ココナツミルクの缶を空けたら、南洋のものとはわかっていても、スプーンですくって食べてしまう。これならよかろうと買ったピーナツバターも、後からダメだとわかって、すべて捨てた。
だから、買わないに超したことはない、そう考えて、捨てるなり、買わないなりした。

そうはいっても、粉モノへの執着はすごい。
例えば、クッキー、スコーン、ビスコッティの類いにぞっこん。妊娠前までは、見向きもしなかったのに!!
一方、おやつ用にと味噌焼きおにぎりや玄米餅(これも母乳がよく出る人にはNGとか)などを用意していたが、パンがあればそっちに手が伸びる。ごまペーストや菜種油プラス塩を塗って、おやつ代わりにパクパク。
なぜだろうかと、マクロビオティックの本を読みあさり、得心。

『OOrganic Base マクロビオティックと暮らす』(奥津典子・著、ビジネス社)によると、「粉食は減らせれば減らせるほどよい」と。中でも害が強いのは、オーブンで焼いたものと、油・脂肪分が多いものと組み合わせた粉食品。つまり、今わたしが欲しているおやつそのもの。
粉はエネルギーを滞らせ、体液の粘性が増し、代謝が遅くなり、肌が汚くなるという。粉は粒ものよりも陰性で、オーブンで焼く調理法はものすごく陽性。食後すぐには一時的に陰性の効果があるものの、長期的には陽性、硬く引き締める(滞る)傾向になるんだとか。

粉モノは粒より早く糖化するため、血糖値が早く高まる。授乳によって大量のエネルギーが必要で、特に授乳直後は一時的に低血糖になると言われているが、おそらく授乳中に粉モノが欲しくなるのはそれと関係しているのだろう。
粉モノは、「食べ始めると続けて食べたくなる不思議な力を持って」いるとのことで、できれば週に1~2回にとどめた方がいい、と奥津さん。
確かにわたしは、玄米ご飯だと茶わん1杯で満足できるのに、パンだと食欲を止めることができない。
クッキーがあろうものなら、一度に10枚は食べてしまう。

精白小麦がいけないんだろうと、全粒粉、米粉、炒り米ぬかなどを使ってスイーツづくりをしていたが、要はオーブンで焼き締める調理法が「強い」とういことだ。
確かに、粉モノをたくさん食べると、上顎がヒリヒリしてくる。そして便秘がちになりイライラする(体が陽性に傾くということだ)。
適度に、と言っても、そのコントロールが難しい。意志は強い方なんだけど、一度食べると……。
う~ん。粉モノ追放運動か?


そんなことを考えていたら、きりがなくなってきた。
ポテチ一袋食べない分だけまし、市販のチョコレートクッキーを食べていない分だけまし、オーガニッククッキーを買っている分まし、砂糖と卵と乳製品を食べない分だけまし……。
そう自分に言い聞かせてがんばっているはずなのに、まだまだ、まだまだ、なのだ。

マクロビ生活を半年以上続けて、体の反応がとても素直になってきた。
例えば今、夏野菜が美味しい。ナス、ピーマン、トマトなんか最高。でも、陰が強いので極力控えた方がいいとされる。旬くらい食べさせろ! と思って美味しく食べていたら、毎夜、手足がむくむ。
結局、体の声に従うのがいちばんだろう。……でも。マクロビ以外の扉のカギをたくさん持ってしまったわたしとしては、COBOだって、辰巳芳子さんの煮梅だって、世界の豆料理だって、チャレンジしたいのだ。
マクロビをやっているからできないわけではない。でも、体が反応してしまうのだ。
どのへんで自分なりの「落とし所」をつけるか。
今、葛藤している。



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プロフィール

キタハラマドカ(おでこが広いからtecoちゃんがニックネームでした)

Author:キタハラマドカ(おでこが広いからtecoちゃんがニックネームでした)
団地暮らしと酵母生活の達人目指す、フリーのライター・編集者。仕事は、生きることそのもの。水環境ジャーナリストを師匠に、鬼校閲者を友に、チーム仕事も繁盛中でございます。
ウエダ家とともにCOBOの普及活動に勤しむ、日本初のCOBOライターでもあります。
得意分野は、食環境、住環境、地球環境。地球温暖化や食の安全・安心、エコハウス関連の仕事が多い今日このごろ。仕事の内容についてはカテゴリ【work】をご参照ください。
夫と愉快な仲間たちがやっているNPO法人【Waveよこはま】のブログにてエココラムを執筆中。
このブログはのんびり気ままに更新中。

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☆キタハラ、2009年1月に出産いたしました☆ニンプ日記は未完のまま産後生活に突入。ぼちぼち、育児日記出産ドキュメント布おむつ生活産後の体のこと姿勢のことなどを書きつづっています。
相変わらず時系列はぐちゃぐちゃ。しかし、テーマごとに思考を詰め、まとめる作業は苦しくも、おもしろくあります。気長に見守っていてください。
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