自宅出産でたいへんだったこと

(生後1日。いたいけな存在…)
自宅出産はともかくリラックスできる、自分が自分のままでいられるなど、メリットはいっぱいある。
ただ、いいことだけではない。いいことが多い分、たいへんな面もある。
それを乗り越えるには、強靭な精神力と体力が必要だ。
少なくともわたしはヘタレだ。精神的にタフな夫がいたからこそ、何とか乗り越えられたと思う。
特に初めてのお産の場合、何もかもがわからないことだらけ。
これでいいの? と、不安なことも多い。
わたしが経験したなかでたいへんだったことを挙げてみる。
(1)準備は早めに!
お産は、ホントにいつ始まるかわからない。
バースハーモニーの場合、37週でクリニックの許可が出てからがお産となるが、できればその前から準備はしておいたほうがいい。
わたしの場合、37週2日で産んでしまった。
たいてい、赤ちゃんグッズや生活の細々とした用品のありかを知っているのは、産後に動けない産婦なのだ。
そのため、少なくともお世話グッズだけは夫、あるいは世話をしてくれる家族にありかを知らせておく。
できれば、台所の見取り図を用意する、使ってよい調味料などをより分けておく必要もあるだろう。産後の食事は大切なのだから。
(2)産後、起き上がれない時期のサポート
バースハーモニーのお産が特殊といえば特殊だが(産後数日間は寝たきりでトイレにも行けない)、しかし産婦は産後すぐは、できるだけ安静にする必要がある。
わたしの母は、「手術直後の重病人くらいのつもりで扱った方がいい」と言っていたが、まさにその通り。
産後の数日を完璧に休養することで、その後の回復がまったく違う。
病院などでは産後すぐに起き上がり、退院したらすぐに家事をする人もいるらしいが、もしサポートの手があるのならば、できればゆっくり休んでおいたほうがいい。
骨盤を含め、史上最大の重労働をしたからだを徐々に戻していく。余計な負荷をかけると、更年期に出てくるという。
食事はもちろん、からだの清拭、下の世話など、大人としてのプライドをかなぐり捨てるようなところがあるが、「人に委ねる」ということができるようになると、人生観が変わる。
(これについては後述する)
ただ、寝たきりの時期は特に、指示は的確に。
徹底的に甘えるほうがいい。わがままを言ってもいい。
中途半端に、「難しいならいいです」とか、「どっちでもいい」などは言わない方がいい。
お粥はもっと熱くしてほしい、とか、番茶が濃いので水を足して、とか、部屋の温度をもう少し高く、とか、加湿器の水を取り替えて、とか。
遠慮をせずに、具体的な指示が、手伝ってくれる人にとってもありがたいと思う。
(3)初産の場合は、わからないことだらけ。
初めての出産は、ともかく、すべてが初めてのことだらけだ。
赤ちゃんの体温がどのくらいなのか、体温のはかりかた、おむつのあてかた、おっぱいの飲ませ方、赤ちゃんの睡眠のパターン、どんな時に泣くのか、室温や湿度はどのくらいに保てばいいのか、服は何枚くらい着させるのか、汗はかくのか、よだれは出すのか、などなど。。。
例えば、泣いた時の要求がわからない。
もしかしたら具合が悪いのかもしれないと思う。
また、たくさん眠ったとしたら、それはそれで心配になる。
最初の一週間、「赤ちゃんとはこういう生物なのだ」ということが何となく理解できるまでは、不安で仕方なかった(わたしの場合)。
小さなことで何度も助産師さんに相談の電話をした。
病院ならば、少なくともすぐに看護師さんが来てくれるだろうし、「自分たちで何とかしなければならない」という状況ではないだろうから、「小さな命がすべて自分の双肩にかかっている」というプレッシャーは感じずに済むだろう(あくまでも想像だが……)。
また、意外とおばあちゃんたちの経験談はあてにならない。
自分たちが生まれた30年以上前とは、子育ての方向性も、家にある電化製品の種類も、環境も、洋服のボタンのかけ方も、全部違う。
(例えばわたしたちの子どものころは、日光浴は当たり前だった。今は紫外線に当ててはいけないと推奨されない)
それでも、子育て経験のあるおばあちゃんたちは、すぐに新しいやり方に慣れるだろう。だからその点では心配することはない。
不安になったり、わからないことがあれば、すぐに助産師さんや、最近出産した先輩ママに聞くのがいちばんだと思う。
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