切れた? 切れない??
(特技:女優泣き! 表情と声だけで泣ける、たまです)
「自宅出産をした」
そう打ち明けると、出産経験者から必ずといってもいいほど聞かれる質問がある。
「…で、切れたの? 切れなかったの?」
彼女たちが聞きたいのは、わたしの会陰が切れたかどうか。
自宅出産や助産院での出産など、医療行為に頼らないお産は、会陰切開をすることは少ない(と思う)。
赤ちゃんが産まれてきたいペースで、時間をかけて、ゆっくりとお産は進む。
「あと何分で産みましょう」と、陣痛促進剤を使ったり、赤ちゃんの頭が出やすいように会陰を切ったりすることはない。
助産師さんたちの適切なマッサージにより、会陰をやわらかくし、のばす。そして赤ちゃんは穴を広げて、頭を出してくるのだ。
病院で出産した人のほとんどは、会陰切開をしているはずだ。
なぜなら、それはルーティンワークだから。
もちろん本人が強く希望すれば、切らずに済ませることもできるだろう。ただ、そこまで「切らない」ことにこだわりを持つ人もいないだろうし、そもそも、「切る」「切らない」の意味性を深く考える人もいないのではないか。
なかには、「陣痛が痛くて、会陰切開の痛さなんて感じる余裕すらなかった」「お産を早く終わらせたかったから、さっさと切ってほしかった」などという強者もいる。
しかし、わたしが出会った経産婦のなかには、会陰切開の傷で産後しばらく痛い思いをし、また、自分の大切なところにメスを入れたことで精神的なショックを受けたという人もいる。
わたしとしても、いくら会陰が張り裂けそうだからといっても、いきなり鋏でジョッキン! とされるのはかなわない。想像するだけで痛い。
「会陰切開がイヤだから、助産院を選んだ」という人がいるというのも頷ける。
で、先の質問の答えだが、わたしの場合は、
「あー、ちょっと切れちゃったよー。だって、あまりにもお産が早く進みすぎちゃってー。会陰が伸びる間もなかったみたい」
でも、正直、そんなに気になるほどではなかった。
よく、会陰が伸びる痛みを「鼻からスイカが出てくるくらい」と表現する人がいるが、さすがにそれは大げさだ。
鼻を例にあげるならば、わたしの実感としては、「鼻から焼き栗」って感じだろうか。
ものすごいエネルギーが会陰周りに集中して、灼けつくように熱い。ヒリヒリと、皮膚の皮が伸びる感じだ。
わたしの場合、助産師さんが到着した時にはすでにたまの頭が見えていて、会陰の伸びはMAXに近かっただろう。
助産師さんが急いでラベンダーオイルでマッサージをしてくれたが、間に合わなかった、というのが実際だ。
切れた、と言っても、乾燥した日に大きな口を開けて笑って、唇の際がちょっと切れてしまった、というくらいのものだろう。
処置としては、クリップのようなもの(大きなホチキス状のもの。クレンメという)で会陰を留めた、ということらしい。
しかしわたしは、それを見ていない(おむつ生活のため)。
さすがに、排尿する時にはちょっぴりひきつれるような違和感があった。
さらに、悪露も出ていたので、トイレに行くたびに必ずビデで洗浄したので、ちょっとチクッとしたのも事実だ。
まあ、転んだ時のすり傷を腕に抱えたまま、お風呂で体を洗うのと同じくらいの程度だ。
産後6日目の自宅退院の日に、クレンメをはずした。
それまではどのみち、トイレと洗顔くらいにしか立つことがなかったが、除去後、嘘のように動きが軽やかになった。
さすがに「お股にクリップ」状では動きにくかったことは否めない。その瞬間から、「ひゃっほー! これが退院ー!!」と、まるでギブスをはずした時のような身軽さを感じたものだ(骨折をしたことも、ギプスをしたこともないけれど)。
じゃあ、傷は??
んー、ほとんどないんじゃないかなー。
というか、そもそも、自分の陰部をわざわざ鏡でじっくり眺めるようなことは、ほとんどしたことがないのです^^。。人生経験が足りずにすみません。。今度、参考までに調べてみます(でも、その前との比較のしようがありません)。
というわけで、会陰切開の傷とどちらが痛いのかはわからないものの、ちょっとくらい切れても、それほど痛くもないし、回復も早い、ということは、はっきりと言える。
ゆっくり時間をかけて産んだ自宅出産仲間たちは、そもそも切れていないだろうから、もっともっと産後が楽だったんじゃないだろうか。今度感想を聞いてみたい。
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